小論文を書くときに、
「内容はあるのに、なんとなく幼く見える」
「作文っぽいと言われる」
「言い換えたほうがいい言葉がわからない」
と悩む人は多いです。
実際、小論文では考えの深さだけでなく、言葉の選び方でも印象が変わります。
同じ内容でも、
- 話し言葉が多い
- 文末が軽い
- 接続詞が会話っぽい
- 根拠より気分が前に出ている
このような状態だと、文章全体が幼く見えやすくなります。
反対に、難しい言葉を無理に使わなくても、言い換えのコツを押さえるだけで、落ち着いた印象の小論文に近づきます。
この記事では、小論文で幼く見えやすい表現の特徴と、すぐ使える言い換え一覧、さらに言い換えだけでは足りない文章の整え方までまとめます。
初心者でもそのまま使いやすいように、例文つきでわかりやすく解説します。
小論文で「幼く見える文章」になりやすい理由
小論文は、単に思ったことを書く文章ではありません。
問いに対して、自分の意見を根拠とともに整理して示す文章です。
そのため、次のような表現が多いと、内容以前に文章の印象で損をしやすくなります。
話し言葉がそのまま入っている
普段の会話で自然な言い方でも、小論文では軽く見えることがあります。
たとえば、
- でも
- だから
- すごく
- ちゃんと
- みたいな
- いろんな
- 〜してる
こうした言葉は日常会話では普通でも、小論文ではくだけて見えやすい表現です。
感想が前に出すぎている
小論文では、自分の意見を書くこと自体は大切です。
ただし、感想だけで終わる書き方になると、作文に近い印象になります。
たとえば、
- 私はすごく大事だと思いました
- とてもかわいそうだと感じました
- これはよくないと思います
このような文は気持ちは伝わりますが、なぜそう言えるのかが薄いと、説得力が弱くなります。
接続詞が会話っぽい
接続詞は、文章の論理をつなぐ大事な部分です。
ここが会話的だと、一気に幼い印象になります。
たとえば、
- あと
- でも
- なので
- ていうか
- それで
これらは便利ですが、小論文ではより落ち着いた接続語に置き換えたほうが安全です。
文末が軽い・ぶれる
小論文では、文末の統一感も重要です。
- 〜です
- 〜である
- 〜と思った
- 〜なのでは?
このように文末が混ざると、読み手は落ち着かない印象を受けます。
内容がよくても、文章全体が未完成に見えやすくなります。
小論文の言い換え一覧|幼く見えない文章表現まとめ
ここでは、そのまま使いやすい言い換えを一覧で紹介します。
まずは、よく出る言葉から押さえましょう。
話し言葉の言い換え
| 幼く見えやすい表現 | 小論文向きの表現 | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| でも | しかし / 一方で | 逆の内容を示すとき |
| だから | したがって / そのため | 結論や因果関係を示すとき |
| あと | さらに / また | 追加するとき |
| いろんな | さまざまな / 多様な | 幅広さを示すとき |
| すごく | 非常に / きわめて | 程度を強めるとき |
| ちょっと | やや / 少し / 一部 | 程度を控えめに示すとき |
| みたいな | のような | 例示・比喩を示すとき |
| 〜してる | 〜している | 口語を避ける |
| 〜とか | 〜など / たとえば | 例示に置き換える |
| ちゃんと | 適切に / 十分に / 確実に | 何がどう整っているかを明確にする |
主観が強すぎる表現の言い換え
| 幼く見えやすい表現 | 小論文向きの表現 |
|---|---|
| 〜と思う | 〜と考える / 〜といえる |
| 〜な気がする | 〜と考えられる / 〜と推測される |
| かわいそうだ | 深刻な状況である / 支援が必要である |
| ひどい | 問題が大きい / 課題がある |
| よくない | 適切ではない / 望ましくない |
| 大事だ | 重要である |
| すばらしい | 意義が大きい / 評価できる |
| 無駄だ | 効果が限定的である / 必要性が低い |
| 嫌だ | 受け入れられにくい / 課題が残る |
| おかしい | 妥当ではない / 整合性に欠ける |
接続詞の言い換え
| 会話っぽい接続詞 | 小論文で使いやすい接続詞 |
|---|---|
| でも | しかし / 一方で |
| だから | したがって / そのため / このことから |
| あと | また / さらに |
| ていうか | つまり |
| それで | その結果 / そのため |
| じゃあ | では |
| ちなみに | なお |
| たとえばさ | たとえば |
ぼんやりした言葉の言い換え
| あいまいな表現 | 置き換え例 |
|---|---|
| たくさん | 多くの / 数多くの |
| けっこう | 比較的 / 相当程度 |
| なんか | ある種の / 何らかの |
| いろいろ | 多角的に / 複数の観点から |
| ちゃんと | 適切に / 十分に |
| だいたい | おおむね / 概ね |
| けっこう大切 | 比較的重要である |
| すぐ | 早期に / 速やかに |
小論文で使いやすい言い換えフレーズ
単語だけでなく、文の型ごと覚えると書きやすくなります。
意見を述べるとき
- 私は〜が必要だと考える。
- 〜が重要であるといえる。
- 〜という見方が妥当である。
- 〜と捉えることができる。
理由を示すとき
- その理由は二つある。
- 第一に、〜である。
- 第二に、〜である。
- なぜなら、〜だからである。
※「なぜなら」は使えますが、毎段落で連発すると単調になりやすいです。
「その背景には」「この要因として」「その理由として」なども使い分けると、文章が落ち着いて見えます。
具体例を入れるとき
- たとえば、〜という事例がある。
- 具体的には、〜である。
- 実際に、〜という状況が見られる。
- その一例として、〜が挙げられる。
反対意見に触れるとき
- もちろん、〜という見方もある。
- 一方で、〜という課題も否定できない。
- ただし、〜という反論も考えられる。
- しかし、それでもなお〜と考える。
結論をまとめるとき
- 以上より、〜と結論づけられる。
- このことから、〜が重要である。
- したがって、〜と考える。
- 以上の理由から、〜が必要である。
言い換えだけでは不十分|幼く見えない小論文にする4つのコツ
言葉を置き換えるだけでは、文章全体の印象はまだ変わりきりません。
文章の組み立ても同時に整えることが大切です。
文体を統一する
小論文では、「だ・である調」で統一すると落ち着いた印象になりやすいです。
たとえば、
- この問題は重要です。私は改善が必要だと思う。
- この問題は重要である。私は改善が必要だと考える。
後者のほうが、小論文らしい引き締まった印象になります。
ただし、学校や先生から指定がある場合は、その指示を優先してください。
一文を長くしすぎない
幼く見える文章は、短すぎる文だけでなく、長すぎて何を言いたいのかわからない文にも多いです。
悪い例
私は教育は大切だと思うし、最近はいろんな問題もあるし、家庭だけでは難しいことも多いので、学校がちゃんと対応することが必要だと思う。
改善例
私は、教育における学校の役割は重要であると考える。なぜなら、近年は家庭だけで対応しにくい課題が増えているからである。
一文一義を意識すると、読みやすさが一気に上がります。
感想ではなく根拠を書く
「大事だ」「かわいそうだ」「問題だ」と書くなら、必ずその後に理由を続けましょう。
悪い例
少子化は深刻で、とても大変な問題だと思う。
改善例
少子化は深刻な問題である。なぜなら、労働力の減少や地域社会の維持の難しさにつながるからである。
評価語のあとに、根拠を置く。
これだけで作文っぽさがかなり減ります。
段落ごとに役割を分ける
読みやすい小論文は、段落の役割がはっきりしています。
基本形は次の通りです。
- 第1段落:問題提起・結論
- 第2段落:理由1
- 第3段落:理由2
- 第4段落:反対意見や補足
- 第5段落:まとめ
この形にすると、内容だけでなく文章表現も整理されやすくなります。
小論文の書き換え例|幼い表現を大人っぽく直す
ここでは、実際によくある文を小論文向きに書き換えます。
例1:話し言葉が多い文
書き換え前
今はスマホとかSNSがすごく広がっていて、でもそのせいで人との関わりがうすくなってると思う。
書き換え後
現在は、スマートフォンやSNSが急速に普及している。一方で、その影響により、人との関わりが希薄になっている側面もあると考えられる。
例2:感想で終わる文
書き換え前
私はこの制度はあまりよくないと思いました。
書き換え後
私は、この制度には改善の余地があると考える。なぜなら、利用者によって受けられる支援に差が生じやすいからである。
例3:接続詞が幼い文
書き換え前
でも、今の社会ではそれだけじゃ足りない。だから、学校でも教えるべきだ。
書き換え後
しかし、現代社会においてはそれだけでは不十分である。したがって、学校教育の中でも扱う必要がある。
例4:あいまいな表現が多い文
書き換え前
いろんな人がけっこう困っていて、ちゃんと考える必要がある。
書き換え後
多くの人が困難を抱えており、この問題については十分に検討する必要がある。
小論文で避けたいNG表現
ここでは、特に幼く見えやすい表現をまとめておきます。
断定しきれないのに言い切る表現
- 絶対に〜である
- 必ず〜になる
- 誰でも〜と思う
こうした表現は強すぎるため、根拠が薄いと逆効果です。
その場合は、
- 〜と考えられる
- 〜可能性が高い
- 〜傾向が見られる
のように調整しましょう。
感情をそのまま出す表現
- むかつく
- かわいそう
- ひどい
- ありえない
小論文では、感情をぶつけるよりも、問題点を言語化するほうが大切です。
たとえば、
- ありえない → 妥当ではない
- ひどい → 問題が大きい
- かわいそう → 支援の必要性が高い
と置き換えると、冷静に伝わります。
曖昧な主語
- みんな
- 世の中
- 人々
- 多くの人
こうした言葉自体が悪いわけではありません。
ただし、何を指すのか不明確だと、雑な文章に見えます。
たとえば、
- 多くの高校生
- 子育て世帯
- 地方自治体
- 企業の採用担当者
のように、主語を具体化すると文章が締まります。
小論文を書くときのおすすめ手順
言い換えを覚えても、本番でいきなり使えないことがあります。
そのため、書く前の手順も決めておくと安心です。
1.先に結論を一文で決める
最初に、
「私は〜と考える」
を一文で決めます。
ここが曖昧だと、後の文章もぶれます。
2.理由を二つに絞る
理由が多すぎると、浅く広い文章になります。
初心者は二つで十分です。
- 第一に〜
- 第二に〜
と整理したほうが、読み手にも伝わりやすくなります。
3.下書きの段階では話し言葉でもよい
最初から完璧な文章を目指すと、手が止まりやすくなります。
まずは普通に書き、その後で次の語をチェックしましょう。
- でも
- だから
- すごく
- ちゃんと
- みたいな
- いろんな
- 〜と思った
このあたりを後から整えるだけでも、かなり印象が変わります。
4.最後に「幼く見える語」だけを見直す
見直しでは、内容全体を最初から直そうとしないほうが効率的です。
次の3点だけ確認してください。
- 話し言葉が残っていないか
- 文末が統一されているか
- 理由が書かれているか
このチェックだけでも、仕上がりは大きく変わります。
小論文の見直しチェックリスト
提出前や本番前に、次の項目を確認してください。
- 文体は「だ・である調」でそろっているか
- 「でも」「だから」「あと」を多用していないか
- 「すごく」「ちゃんと」などの会話語が残っていないか
- 「思う」ばかりになっていないか
- 一文が長すぎないか
- 各段落で言いたいことが一つに絞られているか
- 具体例や理由が入っているか
- 設問からずれていないか
- 曖昧な主語を使いすぎていないか
- 最後に結論が明確に書かれているか
まとめ|小論文の言い換えは「大人っぽい言葉」より「論理が伝わる言葉」が大切
小論文を幼く見せないために重要なのは、難しい熟語を並べることではありません。
本当に大切なのは、話し言葉を減らし、論理が伝わる言葉に整えることです。
特に意識したいポイントは次の3つです。
- 話し言葉を、書き言葉に言い換える
- 感想だけで終わらず、理由まで書く
- 接続詞と文末を整えて、文章全体を落ち着かせる
小論文の言い換えで迷ったら、まずは次の置き換えから始めてください。
- でも → しかし
- だから → したがって
- すごく → 非常に
- みたいな → のような
- いろんな → さまざまな
- 〜と思う → 〜と考える
この基本だけでも、文章の印象はかなり変わります。
言い換えは、背伸びのためではなく、考えを正確に伝えるための手段です。
その意識で書けば、小論文は作文より一段落ち着いた文章に近づいていきます。
