文章を書いていると、同じ言葉が何度も出てきて、どこか単調に見えてしまうことがあります。
特に、ブログ記事・レポート・メール・SNS投稿では、内容は悪くないのに、言い回しの重なりだけで読みづらく見えることがあります。
逆にいえば、同じ言葉の扱い方を少し変えるだけで、文章の印象はかなり良くなります。
大事なのは、むやみに難しい言葉へ置き換えることではありません。
削る・まとめる・言い換える・具体化する。この4つを使い分けるだけでも、文章の語彙力は十分上がります。
この記事では、初心者でも実践しやすい形で、同じ言葉を繰り返さない方法と、文章の語彙力を上げるコツをわかりやすく整理していきます。
同じ言葉を繰り返すと文章が読みにくくなる理由
内容より言葉の重なりが目立つから
同じ語が何度も出ると、読者は内容を追う前に「またこの言い方か」と引っかかります。
とくに同じ文の中、または近い位置で同じ語が続くと、文章がぎこちなく見えやすくなります。
たとえば、次のような文です。
「この方法は初心者にも使いやすい方法です。この方法を使うと、文章の語彙力を上げる方法がわかります。」
意味は通じますが、「方法」が多すぎて、読んでいて引っかかります。
幼い印象、稚拙な印象につながりやすいから
同じ主語、同じ名詞、同じ語尾が続くと、文章が単調に見えます。
情報の中身より、表現の未整理さが前に出てしまうのです。
特に次の3つは要注意です。
- 同じ名詞の連続
- 同じ語尾の連続
- 同じ意味の言葉を重ねる重言
ただし、すべての繰り返しが悪いわけではない
ここは重要です。
大事なキーワードまで無理に全部言い換える必要はありません。
記事の主題になる言葉は、むしろ適切に繰り返したほうがわかりやすい場合があります。
たとえば「語彙力」というテーマの記事なのに、毎回「表現力」「言葉の幅」「言語センス」などへ散らしすぎると、かえって主題がぼやけます。
つまり、
- 不要な繰り返しは減らす
- 必要な繰り返しは残す
この見極めが大切です。
同じ言葉を繰り返さない方法
二回目は省略できないかを見る
最初に試したいのは、言い換えではなく省略です。
日本語は、主語や目的語をある程度省いても意味が通じる言語です。
そのため、同じ語を無理に別表現へ変えるより、二回目を消したほうが自然なことがよくあります。
例文です。
修正前
「私はこの本が好きです。私はこの本から多くのことを学びました。」
修正後
「私はこの本が好きで、多くのことを学びました。」
このように、同じ主語は一度だけ出せば足りることが少なくありません。
似た内容は一文にまとめる
言葉の重複は、文が細かく切れすぎていると起こりやすくなります。
修正前
「この講座は初心者向けです。この講座は動画で学べます。この講座は質問もしやすいです。」
修正後
「この講座は初心者向けで、動画で学べるうえ、質問もしやすいのが特徴です。」
バラバラの短文を、意味のまとまりごとに一つへまとめるだけで、重複はかなり減らせます。
代名詞やまとめ語に置き換える
同じ固有名詞や同じ名詞が続くときは、二回目以降をまとめ語に変えるのが有効です。
たとえば、
- 田中さんと鈴木さん → 二人
- ブログ記事とSNS投稿 → 発信内容
- 村上春樹と村上龍 → 二人、両者
ただし、代名詞の使いすぎは逆にわかりにくくなります。
「それ」「これ」「あれ」ばかりになると、何を指しているのか不明になりやすいからです。
読者が一瞬で対象を特定できるときだけ使うのがコツです。
名詞を動詞や形容詞にずらす
同じ単語を別の品詞へずらすと、不自然な重なりを減らせます。
修正前
「説明がわかりやすい説明文を書く」
修正後
「わかりやすく説明する文章を書く」
修正前
「魅力がある商品を魅力的に見せる」
修正後
「魅力のある商品を、より魅力的に見せる」
このように、名詞だけで積み上げず、動詞や形容詞へ動かすと、文章が生きた感じになります。
抽象語を具体語に変える
「すごい」「良い」「大切」「便利」などの抽象語は、何度も出やすい言葉です。
こうした語は、別の似た言葉へ置き換えるより、具体的に言い直したほうが語彙力が高く見えます。
たとえば「便利」を言い換えるなら、
- すぐ使える
- 持ち運びしやすい
- 操作が簡単
- 一つで済む
- 手間が減る
というように、便利の中身を書いたほうが伝わります。
重言を削る
同じ意味を重ねる表現は、文章をくどく見せます。
よくある例は次のとおりです。
| 重なりやすい表現 | すっきりした表現 |
|---|---|
| まず最初に | まず / 最初に |
| 各項目ごとに | 各項目で / 項目ごとに |
| 利用することができる | 利用できる |
| 調査を実施した | 調査した |
| 違和感を感じる | 違和感がある / 違和感を覚える |
こうした表現は、書いている本人は気づきにくいので、見直しのときにまとめて点検すると効果的です。
文章の語彙力を上げるコツ
類語は一語ずつでなく、ニュアンスごとに覚える
語彙力を上げたいとき、単純に類語を暗記しようとすると失敗しやすいです。
理由は、意味が近くても使う場面が違うからです。
たとえば「うれしい」に近い表現でも、
- 安心した
- ありがたい
- 励みになる
- 心強い
- 光栄です
では、使う場面が全く違います。
そのため、覚え方は「単語単体」ではなく、気持ち・場面・相手ごとのセットにするのがおすすめです。
例文ごとストックする
語彙は、単語だけでは使いこなせません。
使える語彙にしたいなら、例文ごと覚えるのが近道です。
たとえば「重要」という語を覚えるより、
- 重要なポイントです
- 優先して確認したい点です
- 見落とせない論点です
- 先に押さえておきたい部分です
のように、文章でストックしておくと、実際に書くときに出しやすくなります。
よく使う言葉の口ぐせリストを作る
語彙力が伸びない人ほど、無意識の口ぐせ・書きぐせを繰り返しています。
たとえば、
- すごい
- 大切
- 必要
- いい
- しっかり
- かなり
- できる
- 思います
このあたりは便利なので、つい多用しがちです。
まずは自分の文章を3本ほど見返して、よく出る語を洗い出してください。
そのうえで、各語に対して言い換え候補を3つずつ作るだけでも、かなり変わります。
辞書・類語辞典・コーパスを使う
語彙力を上げたいなら、感覚だけに頼らないことも大切です。
便利なのは次の3つです。
- 国語辞典
意味と使い方の確認に向く - 類語辞典
言い換え候補を広げるのに向く - コーパス
実際にどんな文脈で使われているか確かめるのに向く
特に、「似ているけれど本当に置き換えていいのか迷う」ときは、実例を確認すると失敗しにくくなります。
同じ言葉を繰り返さない言い換え例
ありがちな書き方を自然に直す例
修正前
「このアプリは便利なアプリです。このアプリを使うと、作業を便利に進められます。」
修正後
「このアプリは使い勝手がよく、作業をスムーズに進められます。」
修正前
「この方法は大切な方法です。特に初心者には大切です。」
修正後
「この方法は、特に初心者が最初に押さえたいポイントです。」
修正前
「語彙力を上げるには読書が大切です。語彙力を上げるには書くことも大切です。」
修正後
「語彙力を伸ばすには、読むだけでなく、実際に書いて使うことも欠かせません。」
語尾の繰り返しも一緒に直す
同じ言葉だけでなく、語尾の連続も単調さの原因です。
修正前
「この方法は簡単です。すぐに始められます。初心者にもおすすめです。」
修正後
「この方法は簡単で、すぐに始められるため、初心者にも取り入れやすいでしょう。」
語尾は、
- です
- ます
- でしょう
- できます
- あります
- といえます
などを自然に散らすと、読みやすさが上がります。
やってはいけない言い換え
重要キーワードまで毎回変える
SEOを意識すると、「同じキーワードを避けよう」と考えすぎることがあります。
しかし、主題語を毎回バラバラにすると、記事の軸がぶれます。
このページなら「同じ言葉を繰り返さない」「語彙力」「文章」は、中心語として適度に残したほうが自然です。
似ているだけの別語を使う
言い換えは、意味が近ければ何でもよいわけではありません。
たとえば、
- 正確 → 厳密
- 丁寧 → 親切
- 重要 → 深刻
のように、完全には同じでない語を雑に入れ替えると、意味がずれてしまいます。
言い換えより、意味の維持が優先です。
難しい言葉で飾りすぎる
語彙力がある文章は、難解な文章ではありません。
むしろ、読み手に合った言葉で、無理なく伝わる文章のほうが評価されます。
「喫緊」「可及的速やかに」などを使うより、
- すぐに対応すべき
- できる限り早く
と書いたほうが伝わる場面は多くあります。
文章の語彙力を上げる練習法
3分リライト練習
書いたあとに3分だけ取り、次の順で見直します。
- 同じ名詞が近くにないか
- 同じ語尾が3回以上続いていないか
- 重言がないか
- 抽象語を具体化できないか
- 一文にまとめられるところはないか
この順番なら、初心者でも直しやすいです。
一つの言葉から3通りの言い換えを作る
たとえば「大切」を見つけたら、次の3方向で言い換えます。
- 近い意味にする
重要、欠かせない - 具体化する
先に確認したい、優先したい - 言い換えず構文を変える
見落とせません、後回しにできません
この練習を続けると、言い換えの発想がかなり早くなります。
良い文章を読んで、書き換えてみる
読むだけではなく、真似して書き換えるのも有効です。
- 見出しの付け方
- 一文の長さ
- 言い換えの位置
- 同じ語を省くタイミング
こうした部分を意識して、自分のテーマで書き直すと、語彙力と文章力が同時に伸びます。
よくある質問
同じ言葉は何回までなら使っていいですか
回数で決めるより、近い位置で不自然に重なっていないかで判断するのがおすすめです。
見出し・導入・まとめに中心語が出るのは普通ですが、同じ一文や隣接文で何度も出ると、読みにくさが出やすくなります。
語彙力を上げるには読書が必須ですか
読書は有効ですが、それだけでは足りません。
読んだ言葉を、自分の文章で使う練習までしてはじめて、使える語彙になります。
SEOを意識するなら、同じキーワードは多く入れるべきですか
入れすぎる必要はありません。
大事なのは、タイトル・見出し・本文の要所に自然に入れることです。
不自然な詰め込みは、読み手にも検索エンジンにも好まれません。
すぐに効果が出るコツはありますか
あります。
まずは次の3つだけで十分です。
- 二回目の主語を省く
- 「〜することができる」を「〜できる」に変える
- 「大切」「便利」「すごい」を具体化する
これだけでも、文章はかなりすっきりします。
まとめ
同じ言葉を繰り返さないコツは、難しい語を知ることだけではありません。
まずは、
- 省ける言葉を省く
- 近い文をまとめる
- 必要なところだけ言い換える
- 抽象語を具体化する
- 重言を削る
この順番で整えるのが効果的です。
文章の語彙力は、一気に増えるものではありません。
ですが、毎回の見直しで「どの語が重なったか」「どう直したか」を意識していくと、少しずつ表現の引き出しは増えていきます。
読みやすい文章は、派手な言葉でできているのではなく、読者に無理をさせない言葉選びでできています。
同じ言葉を減らすことは、その第一歩です。
