できるは漢字?「出来る」とひらがなの使い分け

「できる」は、ひらがなで書くのが基本です。

たとえば、次のような文では「出来る」ではなく「できる」と書くほうが自然です。

  • 英語ができる
  • 予約できる
  • 利用できます
  • できるだけ早く対応します

一方で、「出来」を漢字で書く場面もあります。

  • 試験の出来がよい
  • 出来事を思い出す
  • 料理の出来上がり
  • 上出来だった

つまり、迷ったときの目安は次のとおりです。

表記使う場面
できる動詞として使う勉強ができる、予約できる
出来名詞・複合語として使う出来がいい、出来事、上出来
出来る一般的な文章では避けるのが無難利用出来る → 利用できる
目次

できるは漢字ではなくひらがなで書くのが基本

結論:迷ったら「できる」と書けばよい

文章を書くときに迷ったら、基本的には「できる」とひらがなで書けば問題ありません。

特に、次のような文章では「できる」が向いています。

  • ビジネスメール
  • 履歴書・職務経歴書
  • 公的な文章
  • ブログ記事
  • Webサイトの文章
  • 商品説明
  • マニュアル
  • 学校や仕事で提出する文章

「出来る」と変換できるため、つい漢字にしたくなるかもしれません。

しかし、読みやすさや表記ルールを考えると、動詞として使う場合は「できる」に統一するのがおすすめです。

「出来る」を避けたほうがいい理由

「出来る」は、漢字が続いて文章が少し重く見えやすい表記です。

たとえば、次の2つを比べてみてください。

漢字表記ひらがな表記
予約出来ます予約できます
確認出来次第確認でき次第
利用出来るサービス利用できるサービス
参加出来ない場合参加できない場合

意味は伝わりますが、ひらがなの「できる」のほうが、やわらかく読みやすい印象になります。

特にWeb記事では、読者がスマホで流し読みすることも多いため、読みやすさを優先して「できる」を使うとよいでしょう。

「出来る」は必ず間違いなのか

「出来る」と書いたからといって、日常の文章で意味が通じなくなるわけではありません。

ただし、表記としては「できる」のほうが一般的で、ビジネス文書や公的な文書では「できる」を選ぶのが無難です。

また、同じ文章の中で、

  • できる
  • 出来る
  • できます
  • 出来ます

のように表記が混ざると、文章全体が雑に見えやすくなります。

そのため、特別な理由がなければ「できる」に統一しましょう。

「できる」と「出来る」の使い分け早見表

ひらがなで書く「できる」の例

動詞として使う場合は、ひらがなの「できる」が基本です。

意味例文おすすめ表記
能力がある彼は英語ができるできる
実行可能今日中に対応できるできる
使用可能この機能は無料で利用できるできる
完成する新しい駅ができるできる
発生する急に用事ができたできる
成立する友達ができるできる

「完成する」「発生する」という意味でも、一般的な文章では「できる」と書くのが自然です。

漢字で書く「出来」の例

「出来」は、主に名詞複合語で使います。

表記意味例文
出来仕上がり・結果今日のテストの出来はよかった
出来事起きたこと昨日の出来事を話す
出来上がり完成した状態料理の出来上がりを待つ
出来栄え仕上がりのよさ作品の出来栄えに満足する
上出来よくできたこと初めてにしては上出来だ
不出来できが悪いこと今回の作品は不出来だった
出来心その場の軽い気持ち出来心でやってしまった

このように、「できる」という動きではなく、仕上がり・結果・物事の名前として使う場合は「出来」が自然です。

「出来る」と書きたくなる場面の判断方法

迷ったときは、次のように考えると判断しやすくなります。

「〜することが可能」と言い換えられるなら「できる」

例:

  • 予約できる
    → 予約することが可能
  • 参加できる
    → 参加することが可能
  • 利用できる
    → 利用することが可能

この場合は、ひらがなで「できる」と書きます。

「仕上がり」「結果」と言い換えられるなら「出来」

例:

  • 出来がよい
    → 仕上がりがよい
  • テストの出来
    → テストの結果・手応え
  • 料理の出来
    → 料理の仕上がり

この場合は、漢字で「出来」と書くと自然です。

ひらがなの「できる」を使う場面

能力・可能を表す「できる」

「〜する能力がある」「〜することが可能」という意味では、ひらがなで「できる」と書きます。

例文

  • 彼女は英語ができる
  • パソコンで資料作成ができる
  • 明日なら参加できます
  • このアプリでは音声入力ができます
  • 初心者でも簡単に操作できます

この使い方では、「出来る」にする必要はありません。

特に「利用できる」「確認できる」「対応できる」などは、ビジネス文書やWeb記事でもよく使う表現です。

完成・成立を表す「できる」

「物が完成する」「関係が成立する」「予定や用事が発生する」という意味でも、基本は「できる」です。

例文

  • 新しい道路ができる
  • 夕食ができた
  • 友達ができた
  • 急に予定ができた
  • 駅前に新しい店ができるらしい。

「建物が出来る」「友達が出来る」と書きたくなるかもしれませんが、一般的な文章では「できる」と書いたほうが読みやすくなります。

「〜することができる」「〜できる」

「〜することができる」は丁寧で説明的な表現です。

例文

  • このページから申し込むことができます
  • スマホだけで手続きを完了することができます
  • 会員登録をすると、限定コンテンツを読むことができます

ただし、何度も使うと文章が少し回りくどくなります。

回りくどい表現すっきりした表現
申し込むことができます申し込めます
確認することができます確認できます
利用することができます利用できます
変更することができます変更できます

ブログ記事やWebページでは、読みやすさを考えて「〜できます」に短くするのもおすすめです。

「できるだけ」「できれば」「できる限り」

次のような副詞的な表現も、ひらがなで書くのが自然です。

例文

  • できるだけ早く返信します。
  • できれば午前中にご連絡ください。
  • できる限り対応いたします。
  • できることならもう一度やり直したい。

「出来るだけ」「出来れば」「出来る限り」と書くと、やや硬く古い印象になりやすいです。

読みやすさを重視するなら、ひらがなの「できる」を使いましょう。

漢字の「出来」を使う場面

名詞としての「出来」

「出来」は、仕上がり・結果・できばえを表す名詞として使います。

例文

  • 今日の試験の出来はよかった。
  • 作品の出来に満足している。
  • 今回の資料はなかなかの出来だ。
  • 料理の出来を先生に評価してもらった。

この場合、「でき」とひらがなにすると意味は通じますが、文章によっては少し軽く見えることがあります。

「結果」「仕上がり」という意味をはっきり出したいときは、漢字の「出来」が自然です。

複合語としての「出来」

「出来」がほかの語と結びついて、一つの言葉になっている場合も漢字で書くことが多いです。

よく使う複合語

言葉意味
出来事起こったこと
出来上がり完成した状態
出来栄え仕上がりのよさ
出来心ふと起こった軽い気持ち
上出来予想以上によくできていること
不出来仕上がりがよくないこと

たとえば「昨日のできごと」と書いても読めますが、一般的には「出来事」と書くことが多いです。

「出来がいい」「出来の悪い」は漢字が自然

「出来がいい」「出来が悪い」のように、名詞として使う場合は漢字にすると意味が伝わりやすくなります。

例文

  • 今回のプレゼン資料は出来がいい
  • 今年のぶどうは出来がよい
  • 作品の出来の悪さが気になる。
  • 練習不足で、発表の出来はいまひとつだった。

このような場合は、「できる」ではなく「出来」を使いましょう。

場面別:メール・履歴書・ブログではどちらを使う?

ビジネスメール・公的な文章

ビジネスメールや公的な文章では、「できる」に統一するのがおすすめです。

例文

  • ご確認できますでしょうか。
  • 明日までに対応できます
  • こちらのフォームから申請できます
  • 準備ができ次第、ご連絡いたします。

「確認出来ます」「対応出来ます」と書くより、ひらがなのほうが読みやすく、自然なビジネス文になります。

履歴書・職務経歴書

履歴書や職務経歴書でも、動詞として使う場合は「できる」が適しています。

例文

  • 基本的なPC操作ができます
  • 英語でのメール対応ができます
  • 顧客の要望に合わせた提案ができます
  • チームで円滑に業務を進めることができます

ただし、「前職での成果の出来」などと書くよりは、履歴書では「成果」「結果」「達成度」など、より具体的な言葉に言い換えるほうが伝わりやすいです。

ブログ・Web記事

ブログやWeb記事では、基本的に「できる」に統一しましょう。

理由は、ひらがなのほうがスマホ画面でも読みやすく、文章がやわらかく見えるからです。

例文

  • 初心者でも簡単にできる方法
  • 今日からできる英語学習
  • 無料で利用できるサービス
  • 自宅でできる副業の始め方

検索する読者は、難しい表記よりも、すぐに意味がわかる表記を好みます。

そのため、SEO記事では「出来る」よりも「できる」を使うほうが読みやすさの面で有利です。

小説・エッセイ

小説やエッセイでは、あえて「出来る」を使うこともあります。

たとえば、少し硬い雰囲気を出したい場合や、時代を感じさせたい場合です。

ただし、一般向けの実用文では、読者に負担をかけないことが大切です。

特別な表現意図がないなら、やはり「できる」を選ぶのが無難です。

表記ゆれを防ぐ書き方のコツ

文章内では「できる」に統一する

文章の中で「できる」と「出来る」が混在すると、読者に違和感を与えます。

表記ゆれの例

  • このサービスは無料でできる
  • 会員登録をすれば利用出来る
  • スマホからでも確認できます

このように混ざっていると、文章全体の統一感がなくなります。

統一した例

  • このサービスは無料で利用できます
  • 会員登録をすれば利用できます
  • スマホからでも確認できます

表記をそろえるだけで、文章がすっきり見えます。

「することができる」を使いすぎない

「することができる」は正しい表現ですが、何度も使うと文章が重くなります。

書き換え例

書き換え前書き換え後
申し込むことができます申し込めます
保存することができます保存できます
比較することができます比較できます
学ぶことができます学べます
確認することができます確認できます

特にブログ記事では、読者がテンポよく読めるように、短く書けるところは短くしましょう。

漢字が続くところでは、ひらがなが読みやすい

漢字が多い文では、「できる」をひらがなにするだけで読みやすくなります。

読みにくい例

  • 申込完了後、内容確認出来ます。
  • 利用登録完了後、各種設定変更出来ます。

読みやすい例

  • 申し込み完了後、内容を確認できます
  • 利用登録が完了すると、各種設定を変更できます

「できる」をひらがなにするだけでなく、必要に応じて文全体を少し整えると、さらに読みやすくなります。

よくある間違いと書き換え例

「利用出来ます」より「利用できます」

「利用出来ます」は意味としては通じますが、一般的な文章では「利用できます」が自然です。

避けたい表記おすすめ表記
無料で利用出来ます無料で利用できます
すぐに利用出来るすぐに利用できる
会員登録後に利用出来ます会員登録後に利用できます

「確認出来次第」は「確認でき次第」

「確認出来次第」は、漢字が続いて読みにくくなります。

避けたい表記おすすめ表記
確認出来次第、ご連絡します確認でき次第、ご連絡します
準備出来次第、発送します準備ができ次第、発送します
対応出来次第、返信します対応でき次第、返信します

「準備でき次第」よりも、文脈によっては「準備ができ次第」のほうが自然です。

「出来るだけ」は「できるだけ」

「できるだけ」は副詞的に使う表現なので、ひらがなが読みやすいです。

避けたい表記おすすめ表記
出来るだけ早くできるだけ早く
出来れば本日中にできれば本日中に
出来る限り対応しますできる限り対応します

ビジネスメールでも、ブログ記事でも、「できるだけ」「できれば」「できる限り」はひらがなで統一するとよいでしょう。

まとめ:「できる」はひらがな、「出来」は名詞で使う

「できる」と「出来る」で迷ったら、まずはひらがなの「できる」を選びましょう。

動詞として使う場合は、基本的に「できる」です。

  • 英語ができる
  • 予約できる
  • 利用できます
  • 準備ができた
  • できるだけ早く対応する

一方で、名詞や複合語では「出来」を使います。

  • テストの出来
  • 料理の出来
  • 出来事
  • 出来上がり
  • 上出来
  • 不出来

判断に迷ったときは、次のように考えると簡単です。

判断基準表記
「〜することが可能」と言い換えられるできる
「仕上がり」「結果」と言い換えられる出来
ビジネスメール・履歴書・ブログで迷うできる
出来事・出来栄え・上出来などの熟語出来

実用的な文章では、「できる」はひらがな、名詞の「出来」は漢字と覚えておけば十分です。

読みやすく、表記ゆれのない文章にするためにも、「出来る」と変換されたときは、一度「できる」に直せないか確認してみましょう。

この記事を書いた人

敬語・丁寧表現、メール・LINEの文例、言葉の意味や違い、言い換え表現、表記ゆれなど、日常や仕事で迷いやすい日本語表現を実用重視で解説しています。
辞書・公的情報・一般的な使用実態などを確認しながら、初心者にもわかりやすい記事作成を心がけています。

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