送り仮名のルールとは?まず覚えたい基本だけをやさしく整理

送り仮名とは、漢字のあとに付けるひらがなのことです。

たとえば、次の太字部分が送り仮名です。

  • 明る
  • 申し込

送り仮名は、ただの「ひらがなの付け足し」ではありません。
読み方をわかりやすくし、意味の取り違えを防ぐための大切な表記ルールです。

この記事では、送り仮名の細かい例外をすべて覚えるのではなく、まず押さえたい基本ルールに絞ってやさしく整理します。

目次

送り仮名とは

送り仮名とは、漢字で書いた語のあとに付くひらがなのことです。

言葉送り仮名
書く
食べるべる
新しいしい
明らかだらかだ
申し込むし込む

送り仮名があることで、読み方や意味がわかりやすくなります。

たとえば「生」という漢字だけでは、「せい」「しょう」「なま」「いきる」「うまれる」など、さまざまな読み方があります。

しかし、

  • 生きる
  • 生まれる
  • 生える
  • 生かす

のように送り仮名を付けると、どの読み方なのか判断しやすくなります。

送り仮名のルールでまず覚えること

送り仮名には細かい決まりがありますが、最初に覚えるべきことはシンプルです。

動詞や形容詞など、形が変わる言葉は、変化する部分をひらがなで送る。

これが基本です。

動詞は変化する部分を送る

動詞は、後ろに続く言葉によって形が変わります。

例として「書く」を見てみましょう。

活用した形変化する部分
書かない
書きます
書く
書けば
書こう

「書」は変わらず、後ろの「か・き・く・け・こ」が変化しています。
そのため、送り仮名は次のようになります。

  • 書く
  • 書かない
  • 書きます
  • 書けば
  • 書こう

つまり、漢字にできる部分を全部漢字にするのではなく、言葉として変化する部分をひらがなで残すのが基本です。

形容詞も変化する部分を送る

形容詞も形が変わる言葉です。

たとえば「高い」は、次のように変化します。

活用した形
高い高い山
高く高くなる
高ければ高ければ買わない
高かった高かった

この場合、「高」のあとに続く部分が変化するため、

  • 高い
  • 高く
  • 高ければ
  • 高かった

と書きます。

「高い」を「高」とだけ書くと、形容詞として読ませるには不十分です。
送り仮名によって、「たかい」と読むことがはっきりします。

送り仮名の基本ルール早見表

細かい説明に入る前に、まずは全体像を見ておきましょう。

種類基本ルール
動詞変化する部分を送る書く、読む、動く
形容詞変化する部分を送る高い、広い、楽しい
形容動詞必要な部分を送る静かだ、明らかだ
名詞原則として送り仮名を付けない山、月、花、男
動詞からできた名詞もとの語に合わせる動き、話し、届け
複合語分解して考える取り扱う、申し込む
慣用表記慣用に従う受付、取締役、日付

送り仮名で迷ったときは、いきなり例外を探すより、まずこの表に当てはめると判断しやすくなります。

送り仮名のルール1:活用する言葉は変わる部分を送る

もっとも大切なのは、活用する言葉の送り仮名です。

活用とは、「書く」が「書かない」「書きます」「書けば」のように形を変えることです。

「読む」はなぜ「読む」なのか

「読む」は、次のように変化します。

  • 読まない
  • 読みます
  • 読む
  • 読めば
  • 読もう

変わる部分は「ま・み・む・め・も」です。
そのため、漢字のあとに「む」を付けて「読む」と書きます。

「考える」はなぜ「考る」ではないのか

「考える」は、次のように変化します。

  • 考えない
  • 考えます
  • 考える
  • 考えれば
  • 考えよう

「考」だけを漢字にして「考る」とすると、「かんがえる」と自然に読むのが難しくなります。
そのため、送り仮名は「える」まで付けて、考えると書きます。

ここで大切なのは、送り仮名は「最後の一文字だけ」とは限らないことです。

  • 書く
  • 読む
  • 考える
  • 生きる
  • 起こる
  • 表れる

このように、言葉によって送る部分の長さは変わります。

送り仮名のルール2:ほかの言葉を含む場合は、もとの言葉を意識する

送り仮名で迷いやすいのが、ほかの言葉を含む場合です。

たとえば「動かす」は、「動く」と関係があります。

  • 動く
  • 動かす

「動く」は「動く」と書くので、それに合わせて「動かす」も「動かす」と書きます。

「増やす」は「増す」ではない

「増やす」は、「増える」と関係の深い言葉です。

  • 増える
  • 増やす

「増える」の送り仮名は「える」です。
その流れを考えると、「増やす」も「増す」ではなく、増やすと書くほうが自然です。

「表す」と「現れる」は送り仮名が違う

同じ漢字を使っていても、言葉が違えば送り仮名も変わります。

言葉読み方意味
表すあらわす外に示す
現れるあらわれる姿を見せる
著すあらわす本などを書く

同じように見えても、読み方や意味が違うため、送り仮名も変わります。

送り仮名は、漢字だけでなく、言葉全体で考えることが大切です。

送り仮名のルール3:名詞は送り仮名を付けないことが多い

名詞は、原則として送り仮名を付けないことが多いです。

たとえば、次のような言葉です。

これらは活用しません。
「山かない」「花きます」のように形が変わらないため、送り仮名は基本的に不要です。

動詞からできた名詞は送り仮名が付くことがある

ただし、名詞でも送り仮名が付く場合があります。

代表例は、動詞からできた名詞です。

もとの動詞名詞になった形
動く動き
話す話し
届ける届け
願う願い
休む休み

「動き」は名詞ですが、「動く」という動詞と関係があるため、送り仮名が付いています。

つまり、名詞だから必ず送り仮名がない、というわけではありません。
もとの言葉が動詞や形容詞かどうかを見ると判断しやすくなります。

送り仮名のルール4:複合語は分けて考える

複合語とは、複数の言葉が組み合わさってできた言葉です。

たとえば、

  • 申し込む
  • 取り扱う
  • 書き直す
  • 読み返す
  • 売り上げる

などです。

複合語の送り仮名は、部品に分けて考えるのが基本です。

「申し込む」は「申す」+「込む」

「申し込む」は、次のように分けられます。

  • 申す
  • 込む

それぞれの送り仮名を考えると、

  • 申す
  • 込む

となるため、組み合わせた形は申し込むです。

「取り扱う」は「取る」+「扱う」

「取り扱う」は、次のように分けられます。

  • 取る
  • 扱う

それぞれの送り仮名を残すと、取り扱うになります。

ただし、名詞になると表記が揺れやすくなります。

  • 取り扱い
  • 取扱い
  • 取扱

このような違いは、文章の種類や表記ルールによって選ばれることがあります。

ブログや社内文書では、同じ記事・同じ媒体の中で表記を統一することが大切です。

送り仮名のルール5:慣用で送り仮名を付けない言葉もある

送り仮名には、基本ルールだけでは説明しきれない言葉もあります。

代表的なのが、慣用的に送り仮名を付けない言葉です。

送り仮名を付けない例読み方
受付うけつけ
取締役とりしまりやく
日付ひづけ
組合くみあい
割合わりあい

たとえば「受付」は、「受け付け」と書けそうに見えます。
しかし、名詞としては「受付」と書く表記も広く使われています。

このような語は、理屈だけで判断するより、辞書・公用文の用例・社内ルールなどに合わせるのが安全です。

送り仮名で迷いやすい言葉の例

ここでは、日常的に迷いやすい言葉を整理します。

「行う」と「行なう」はどちらが正しい?

現在の一般的な表記では、行うが基本です。

「行なう」も見かけることがありますが、学校教育や公用文などでは「行う」がよく使われます。

表記位置づけ
行う基本として使いやすい表記
行なう許容される場合がある表記

ブログ記事やビジネス文書では、特別な理由がなければ行うで統一するとよいでしょう。

「申し込み」「申込み」「申込」はどう使い分ける?

「もうしこみ」は、複数の表記が使われます。

表記使われやすい場面
申し込み一般的な文章で読みやすい
申込み公用文・事務文書などで見かける
申込名詞・項目名・熟語的な表記で見かける

ブログや案内文では、読者にやさしい表記として「申し込み」が使いやすいです。

ただし、サービス名・ボタン名・申込書などでは「申込」が使われることもあります。

大切なのは、同じページ内で、

  • 申し込み
  • 申込み
  • 申込

がバラバラに混ざらないようにすることです。

「取り扱い」「取扱い」「取扱」はどう選ぶ?

「取り扱い」も表記が揺れやすい言葉です。

表記印象
取り扱い読みやすく、一般向けの記事に向く
取扱い公用文・事務文書で見かける
取扱看板・項目名・熟語的な表記で使われやすい

ブログ本文では「取り扱い」、見出しや項目名では「取扱」とするような使い分けもあります。
ただし、読者に不自然さを与えないためには、媒体内のルールを先に決めておくと安心です。

送り仮名を間違えないための判断手順

送り仮名で迷ったときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。

1. 動詞・形容詞かを確認する

まず、その言葉が形を変えるかどうかを見ます。

形が変わるなら、変化する部分をひらがなで送るのが基本です。

例:

  • 書く
  • 読む
  • 明るい
  • 楽しい
  • 静かだ

2. もとの言葉があるか確認する

次に、ほかの言葉からできていないかを考えます。

例:

  • 動く → 動き
  • 届ける → 届け
  • 申す+込む → 申し込む
  • 取る+扱う → 取り扱う

もとの言葉が見つかる場合は、その送り仮名を手がかりにします。

3. 名詞として慣用化していないか確認する

名詞になった言葉は、送り仮名を省くことがあります。

例:

  • 受付
  • 取締役
  • 日付
  • 組合

このような語は、基本ルールだけで判断しにくいため、辞書や表記ルールを確認しましょう。

4. 同じ文章内で統一する

送り仮名では、複数の表記が成り立つ場合があります。

その場合は、どれか一つを選び、同じ文章内で統一することが大切です。

悪い例:

  • 申し込みはこちら
  • 申込み内容を確認する
  • 申込期限は明日です

読み手から見ると、同じ意味なのに表記が変わっていて、少し雑な印象になります。

良い例:

  • 申し込みはこちら
  • 申し込み内容を確認する
  • 申し込み期限は明日です

ブログや社内文書では、正しさだけでなく、表記ゆれを防ぐことも重要です。

ブログやビジネス文書での送り仮名の考え方

ブログやビジネス文書では、送り仮名の厳密さだけでなく、読みやすさも大切です。

特に一般読者向けの記事では、漢字を詰め込みすぎるより、自然に読める表記を選んだほうが伝わりやすくなります。

一般向けの記事では読みやすさを優先する

たとえば、次の表記を比べてみましょう。

やや硬い表記読みやすい表記
取扱取り扱い
申込申し込み
問合せ問い合わせ
売上売り上げ

どちらが絶対に正しいというより、文章の目的によって選び方が変わります。

ブログ本文では、読者が立ち止まらずに読めるように、読みやすい送り仮名を選ぶのがおすすめです。

社内文書では表記ルールを決めておく

社内文書やWebサイトでは、担当者によって表記が変わりやすくなります。

たとえば、

  • 問い合わせ
  • 問合せ
  • お問合せ
  • お問い合わせ

のように、同じ意味の言葉が複数の形で使われることがあります。

このような表記ゆれを防ぐには、よく使う言葉だけでもルールを決めておくと便利です。

例:

読み採用する表記
といあわせ問い合わせ
もうしこみ申し込み
とりあつかい取り扱い
うけつけ受付
うりあげ売り上げ

すべての言葉を完璧に決める必要はありません。
まずは、よく出てくる言葉から統一するだけでも文章の印象は整います。

送り仮名を覚えるコツ

送り仮名は、丸暗記だけで覚えようとすると大変です。
基本ルールとよく使う言葉をセットで覚えると、実際の文章で使いやすくなります。

まずは「活用するか」を見る

送り仮名で迷ったら、最初に次のように考えましょう。

この言葉は形が変わるか?

形が変わるなら、送り仮名が必要になる可能性が高いです。

例:

  • 書く → 書かない、書きます
  • 読む → 読まない、読みます
  • 高い → 高く、高ければ
  • 明るい → 明るく、明るければ

次に「もとの言葉」を探す

複雑な言葉は、もとの言葉に分けると判断しやすくなります。

例:

  • 書き直す → 書く+直す
  • 読み返す → 読む+返す
  • 申し込む → 申す+込む
  • 取り扱う → 取る+扱う

分けて考えると、送り仮名の位置が見えやすくなります。

最後は辞書や公式ルールで確認する

例外や慣用表記は、理屈だけでは判断しにくいことがあります。

特に次のような場合は、辞書や公式情報を確認しましょう。

  • 公用文を書く
  • 契約書・規程・社内文書を書く
  • Webサイト全体の表記ルールを決める
  • 同じ語に複数の表記候補がある
  • 変換候補が複数出て迷う

パソコンやスマホの変換候補は便利ですが、必ずしも文章の目的に合った表記を選んでくれるわけではありません。

送り仮名のルールは完璧に覚えなくてもよい

送り仮名には、公式のルールがあります。
しかし、日常の文章を書くうえで、すべての通則や例外を暗記する必要はありません。

まずは、次の4つを押さえておけば十分です。

  • 動詞・形容詞は、変化する部分を送る
  • ほかの言葉を含む場合は、もとの言葉に合わせる
  • 名詞は送り仮名を付けないことが多い
  • 迷ったら、読みやすさと表記統一を優先する

送り仮名は、読者が迷わず読める文章にするための道具です。

「正しいかどうか」だけでなく、
読者にとって読みやすいか
同じ文章の中で表記がそろっているか
という視点も大切にしましょう。

まとめ

送り仮名とは、漢字のあとに付けるひらがなのことです。

基本は、活用する言葉の変化する部分をひらがなで送ることです。

たとえば、

  • 書く
  • 読む
  • 高い
  • 明るい
  • 考える

のように、言葉の形が変わる部分を送り仮名として残します。

一方で、名詞は送り仮名を付けないことが多く、複合語や慣用表記では例外もあります。

迷ったときは、次の順番で考えましょう。

  1. 動詞・形容詞のように活用する言葉かを見る
  2. もとの言葉に分けられないか考える
  3. 名詞として慣用化していないか確認する
  4. 同じ文章内で表記を統一する

送り仮名のルールは細かく見ると複雑ですが、まずは基本だけで十分です。
読者が読みやすく、意味を取り違えにくい表記を選ぶことが、文章全体のわかりやすさにつながります。

この記事を書いた人

敬語・丁寧表現、メール・LINEの文例、言葉の意味や違い、言い換え表現、表記ゆれなど、日常や仕事で迷いやすい日本語表現を実用重視で解説しています。
辞書・公的情報・一般的な使用実態などを確認しながら、初心者にもわかりやすい記事作成を心がけています。

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