このたび・この度はどっちが正しい?お知らせ文で自然な表記

「このたび」と「この度」は、どちらも「今回」「今度」という意味で使える表現です。

結論からいうと、どちらも間違いではありません

ただし、お知らせ文やビジネスメールでは、文章の雰囲気によって自然に見える表記が変わります。

改まった会社のお知らせなら 「この度」、やわらかく読みやすい案内文なら 「このたび」 が使いやすいです。

目次

このたび・この度はどっちが正しい?

結論はどちらも正しい

「このたび」と「この度」は、読み方も意味も同じです。

どちらも、次のような意味で使います。

  • 今回
  • 今度
  • この機会
  • 今回の出来事について

たとえば、以下のように使えます。

  • この度、新サービスを開始いたしました。
  • このたび、新サービスを開始いたしました。

どちらも意味は通じます。

ただし、見た目の印象は少し異なります。

「この度」は改まった印象になりやすい

「この度」は、漢字が入るため、ややフォーマルでかしこまった印象になります。

会社のお知らせ、取引先へのメール、謝罪文、正式な案内文などでは、「この度」が自然に見えることが多いです。

例文:

この度、弊社では新サービスを開始いたしました。

この度は、弊社の不手際によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。

「このたび」はやわらかく読みやすい

「このたび」は、ひらがな表記なので、やわらかく親しみやすい印象になります。

一般向けのお知らせ、学校・地域・サービス利用者向けの案内、読みやすさを重視した文章では「このたび」も自然です。

例文:

このたび、サイトをリニューアルしました。

このたびは、イベントにご参加いただきありがとうございました。

「この度」と「このたび」の違いを表で整理

表記印象向いている場面
この度改まった印象、丁寧、やや硬い会社のお知らせ、ビジネスメール、謝罪文、正式な案内
このたびやわらかい、読みやすい、親しみやすい一般向けのお知らせ、ブログ、学校・地域の案内
今回普通、ややカジュアル社内連絡、説明文、会話に近い文章
今般非常に硬い、公的・報道的官公庁文書、正式発表、堅い文書

迷った場合は、お知らせ文の読者で決めると失敗しにくくなります。

取引先や顧客に向けた改まった文章なら「この度」。

幅広い読者に向けて読みやすく伝えたいなら「このたび」。

このように考えると自然です。

お知らせ文では「この度」と「このたび」をどう使い分ける?

会社の正式なお知らせは「この度」が無難

企業サイトのニュース、プレスリリース、取引先向けの案内文では、「この度」が使いやすいです。

特に、次のような内容では「この度」のほうが改まった印象になります。

  • 新サービス開始
  • 価格改定
  • 会社移転
  • 代表者変更
  • 休業・営業時間変更
  • 障害・不具合のお詫び
  • 採用・就任・異動のお知らせ

例文:

この度、弊社は本社を下記住所へ移転することとなりました。

この度、サービス品質向上のため、料金プランを改定いたします。

一般向けの案内文は「このたび」も自然

読み手にやさしい印象を与えたい場合は、「このたび」も自然です。

たとえば、次のような文章です。

  • ブログのお知らせ
  • 店舗からのお知らせ
  • 学校・地域の案内
  • 利用者向けのやさしい説明
  • 親しみやすさを出したい文章

例文:

このたび、公式サイトをリニューアルしました。

このたび、皆さまにより便利にご利用いただけるよう、予約方法を変更しました。

社内ルールがある場合は表記を統一する

「この度」と「このたび」は、どちらか一方だけが絶対に正しいわけではありません。

そのため、会社やメディアで文章を作る場合は、表記ルールを統一することが大切です。

同じお知らせ文の中で、

  • この度
  • このたび
  • 今回

が混ざると、文章の印象がぶれます。

特に、Webサイト・社内文書・メールテンプレートでは、あらかじめ「基本はこの度」「一般向け記事ではこのたび」などと決めておくと、表記ゆれを防ぎやすくなります。

「この度は」と「この度、」の使い方

「この度は」はお礼・謝罪・お祝いで使いやすい

「この度は」は、相手に向けて感謝・謝罪・お祝いを伝えるときによく使います。

例文:

この度は、お問い合わせいただきありがとうございます。

この度は、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。

この度は、ご受賞おめでとうございます。

「この度は」の後には、相手に関係する内容を続けると自然です。

「この度、」は発表や報告の書き出しに合う

一方で、「この度、」は会社や団体が何かを発表するときに使いやすい表現です。

例文:

この度、弊社では新たなサポート窓口を開設いたしました。

この度、当店では営業時間を変更することとなりました。

この度、〇〇サービスの提供を開始いたしました。

お知らせ文では、「この度、〇〇いたします」の形がよく使われます。

「この度は、弊社が」は少し不自然になりやすい

注意したいのは、「この度は」の後に主語を続ける形です。

たとえば、次の文は少し読みにくくなります。

この度は、弊社が新サービスを開始いたしました。

この場合は、「は」ではなく読点だけにすると自然です。

この度、弊社は新サービスを開始いたしました。

または、よりすっきり書くなら次のようにします。

この度、弊社では新サービスを開始いたしました。

お知らせ文でそのまま使える例文

新サービス・新商品の案内

この度、弊社では新サービス「〇〇」の提供を開始いたしました。

このたび、より便利にご利用いただける新機能を追加しました。

この度、〇〇シリーズの新商品を発売することとなりました。

サイトリニューアルのお知らせ

このたび、公式サイトをリニューアルいたしました。

この度、サービス内容をより分かりやすくお伝えするため、Webサイトを全面的に刷新いたしました。

営業時間変更のお知らせ

この度、店舗運営体制の見直しに伴い、営業時間を変更いたします。

このたび、下記のとおり営業時間を変更することとなりました。

価格改定のお知らせ

この度、原材料費および物流費の高騰に伴い、一部商品の価格を改定いたします。

このたび、サービス品質の維持・向上を目的として、料金体系を見直すこととなりました。

お詫びのお知らせ

この度は、弊社サービスにおいて不具合が発生し、ご利用の皆さまにご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

このたびは、確認不足により誤った情報を掲載しておりました。訂正してお詫び申し上げます。

採用・異動・就任のお知らせ

この度、〇〇が新代表取締役に就任いたしました。

このたび、〇〇部門に新たな担当者が着任しました。

「このたび」「この度」で避けたい不自然な表現

何度も使いすぎない

「この度」は便利な表現ですが、1つのお知らせ文で何度も使うと、くどく感じられます。

悪い例:

この度、弊社では新サービスを開始いたしました。この度のサービス開始により、この度ご利用者様により便利な機能を提供いたします。

改善例:

この度、弊社では新サービスを開始いたしました。本サービスにより、ご利用者様により便利な機能を提供いたします。

最初の一文で使ったあとは、「本サービス」「今回の変更」「本件」などに言い換えると自然です。

「今回」と混ぜすぎると文体がぶれる

「この度」と「今回」は意味が近い言葉です。

ただし、同じ文章の中で混在しすぎると、丁寧さに差が出ます。

正式なお知らせなら「この度」「本件」「本変更」などで統一すると、文章全体が整います。

やわらかい説明文なら「このたび」「今回の変更」でも問題ありません。

大切なのは、読者と場面に合わせて統一することです。

「此度」は一般向けのお知らせでは避ける

「此度」と書いて「このたび」「こたび」と読むこともあります。

しかし、現代のお知らせ文ではやや古風で、読み手に負担を与える可能性があります。

一般的なビジネス文書では、「この度」または「このたび」を使うほうが自然です。

表記ゆれを防ぐルールの作り方

まず基本表記を決める

お知らせ文を継続的に作るなら、次のように基本ルールを決めておくと便利です。

場面推奨表記
会社の正式なお知らせこの度
お詫び・謝罪文この度は
読みやすさ重視の案内このたび
社内の軽い共有今回
堅い公的文書組織の用字用語ルールに従う

このように決めておくと、担当者が変わっても文章の印象をそろえやすくなります。

例外も決めておく

すべてを「この度」に統一すればよいわけではありません。

たとえば、親しみやすいブランドサイトでは「このたび」のほうが合うこともあります。

また、子ども・保護者・高齢者など幅広い読者に向けた文書では、漢字を開いて「このたび」としたほうが読みやすい場合もあります。

表記ルールを作るときは、正しさだけでなく、読み手に伝わりやすいかも考えることが大切です。

公開前に検索で一括チェックする

表記ゆれを防ぐには、公開前に文章内検索を使いましょう。

チェックする語は次のとおりです。

  • この度
  • このたび
  • 今回
  • 今般
  • 此度

同じ記事やお知らせ文の中で複数の表記が出てきたら、意図して使い分けているのか確認します。

理由なく混ざっている場合は、どちらかに統一しましょう。

よくある質問

「この度は」はメールの冒頭に使ってもよい?

使って問題ありません。

特に、お礼・謝罪・お祝い・問い合わせ対応では自然です。

例文:

この度は、お問い合わせいただきありがとうございます。

この度は、ご不便をおかけし申し訳ございません。

ただし、単なる連絡事項を伝えるだけなら、「この度は」より「この度、」のほうが自然です。

「このたびは」は失礼?

失礼ではありません。

「このたびは」は、ひらがなでやわらかい印象になるだけで、意味としては「この度は」と同じです。

ただし、取引先への非常に改まったメールや謝罪文では、「この度は」のほうが引き締まって見えることがあります。

「この度」は堅すぎる?

場面によります。

会社のお知らせやビジネスメールでは自然ですが、カジュアルなブログやSNSでは少し堅く感じられることがあります。

読み手との距離が近い文章なら、「このたび」や「今回」を使うと自然です。

お知らせタイトルに「この度」は入れるべき?

基本的には、タイトルに無理に入れる必要はありません。

たとえば、次のようなタイトルのほうが分かりやすいです。

  • 営業時間変更のお知らせ
  • 新サービス開始のお知らせ
  • 価格改定のお知らせ
  • サイトリニューアルのお知らせ

本文の冒頭で「この度、」を使えば十分です。

まとめ

「このたび」と「この度」は、どちらも正しい表記です。

ただし、お知らせ文では次のように使い分けると自然です。

迷った場面おすすめ
会社の正式なお知らせこの度
ビジネスメールこの度
お詫び・謝罪この度は
読みやすさを重視した案内このたび
カジュアルな説明今回
古風な表記此度は避ける

迷ったら、まずは「この度」を選ぶと無難です。

ただし、読者にやさしく伝えたい文章では、「このたび」も十分自然です。

大切なのは、どちらを使うかよりも、文章全体で表記を統一し、読み手に伝わりやすいお知らせ文にすることです。

この記事を書いた人

敬語・丁寧表現、メール・LINEの文例、言葉の意味や違い、言い換え表現、表記ゆれなど、日常や仕事で迷いやすい日本語表現を実用重視で解説しています。
辞書・公的情報・一般的な使用実態などを確認しながら、初心者にもわかりやすい記事作成を心がけています。

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