慣用句 五十音順一覧|探しやすい定番表現まとめ

慣用句は、日常会話・作文・スピーチ・ビジネス文書などでよく使われる表現です。

ただし、言葉だけを見ると意味を想像しにくいものも多く、
「聞いたことはあるけれど、正しい意味があいまい」
「作文で使いたいけれど、使い方が合っているか不安」
と感じる人も少なくありません。

この記事では、定番の慣用句を五十音順で探しやすく整理し、意味と短い例文をまとめました。

目次

慣用句とは

慣用句とは、二つ以上の言葉が結びつき、全体で決まった意味を表す言い回しのことです。

たとえば「油を売る」は、文字どおり「油を売る」という意味ではなく、
仕事や用事の途中で無駄話をして時間をつぶすという意味で使われます。

表現文字どおりの意味慣用句としての意味
油を売る油を販売する無駄話などをして時間をつぶす
頭を抱える頭を手で抱く困って悩む
顔が広い顔の面積が広い知り合いが多い

このように、慣用句は言葉の一部だけで意味を判断しないことが大切です。

ことわざ・四字熟語との違い

慣用句と似た言葉に、ことわざや四字熟語があります。

種類特徴
慣用句決まった言い回しで、比喩的な意味を表す足を引っ張る、口が軽い
ことわざ教訓・戒め・昔からの知恵を表す猿も木から落ちる、急がば回れ
四字熟語漢字4字でできた熟語一石二鳥、試行錯誤

ただし、言葉によっては「慣用句」と「ことわざ」の両方として扱われることもあります。
この記事では、日常的に使いやすい定番表現を中心に紹介します。

慣用句を五十音順で探すときの見方

この一覧では、慣用句の読みの先頭を基準に、あ行・か行・さ行のように分けています。

たとえば、

  • 「頭を抱える」→ あ行
  • 「顔が広い」→ か行
  • 「手を焼く」→ た行
  • 「目を丸くする」→ ま行

という形で探せます。

意味だけでなく、実際の使い方がわかるように、例文もあわせて載せています。

あ行の慣用句一覧

慣用句意味例文
開いた口が塞がらないあきれて何も言えないあまりの言い訳に、開いた口が塞がらなかった。
足が出る予算を超える旅行代が予定より高くなり、少し足が出た。
足を洗う悪いことや好ましくない習慣をやめる彼はギャンブルから足を洗った。
足を引っ張る人の成功や進行を妨げるチームの足を引っ張らないように努力した。
頭が上がらない相手に恩や負い目があり、強く出られないいつも助けてくれる先輩には頭が上がらない。
頭を抱える困って悩む急なトラブルに担当者は頭を抱えた。
油を売る無駄話などをして時間をつぶす仕事中に油を売っていて注意された。
甘く見る軽く考える試験を甘く見ていたら、思ったより難しかった。
息が合う調子や考えがぴったり合う二人は息が合っていて、作業が早い。
息をのむ驚きや感動で一瞬言葉を失う美しい景色に思わず息をのんだ。
板につく動作や態度が自然に似合うようになる新人だった彼も、司会ぶりが板についてきた。
腕を上げる技術が上達する毎日練習して、料理の腕を上げた。
後ろ髪を引かれる心残りがある家族を残して出張に行くのは後ろ髪を引かれる思いだった。

か行の慣用句一覧

慣用句意味例文
顔が広い知り合いが多い彼は顔が広く、どの業界にも知人がいる。
顔が立つ面目が保たれる期限内に納品できて、上司の顔が立った。
顔から火が出るとても恥ずかしいみんなの前で名前を間違え、顔から火が出る思いだった。
顔に泥を塗る相手の名誉を傷つける軽率な発言で会社の顔に泥を塗ってしまった。
肩を落とすがっかりする試合に負けて、選手たちは肩を落とした。
肩を持つどちらか一方の味方をする先生は特定の生徒の肩を持つことはしない。
株が上がる評価が高くなる丁寧な対応で、彼の株が上がった。
気が置けない遠慮せずに付き合える気が置けない友人と久しぶりに食事をした。
気が利く細かいところによく気づく彼女は気が利くので、周囲から頼りにされている。
気が重い気分が晴れず、やるのがつらい明日の会議のことを考えると気が重い。
気に障る不快に感じる何気ない一言が彼の気に障ったようだ。
釘を刺すあとで問題が起きないよう、前もって注意する遅刻しないように、先生が釘を刺した。
口が軽い秘密をすぐ人に話す彼は口が軽いので、大事な話はしにくい。
口を挟む他人の話に割り込む話し合いの途中で横から口を挟まないでほしい。
腰が重いなかなか行動しない彼は腰が重く、なかなか準備を始めない。
腰を据える落ち着いて本格的に取り組む今年は腰を据えて資格の勉強をする。

さ行の慣用句一覧

慣用句意味例文
さじを投げるこれ以上は無理だとあきらめる医師もさじを投げるほど難しい症状だった。
舌を巻くひどく感心する彼の記憶力には誰もが舌を巻いた。
尻に火がつく追い詰められて急ぐ必要が出る締め切り前になって、ようやく尻に火がついた。
尻尾を出す隠していた悪事や本性が表れる何度も質問され、ついに犯人が尻尾を出した。
筋が通る理屈や考えに矛盾がない彼の説明は筋が通っていて納得できる。
図に乗る調子に乗ってつけあがる少し褒められただけで図に乗ってはいけない。
砂をかむよう味気なく、つまらない形式だけの会議は砂をかむような時間だった。
精が出る熱心に働く・努力する朝から庭仕事とは精が出ますね。
関の山それ以上は無理な限界今の実力では、予選突破が関の山だ。
袖にする冷たく扱う・相手にしない何度も誘ったが、彼女に袖にされた。

た行の慣用句一覧

慣用句意味例文
高をくくる大したことはないと軽く見る簡単だと高をくくっていたら、失敗した。
竹を割ったようさっぱりしていて裏表がない彼女は竹を割ったような性格だ。
棚に上げる自分に都合の悪いことを無視する自分のミスを棚に上げて人を責めるのはよくない。
手が空く仕事が一段落して時間ができる手が空いたら、この資料を確認してください。
手がかかる世話や手間が必要である子犬の世話は思ったより手がかかる。
手に汗握る緊張して見守る決勝戦は手に汗握る展開だった。
手を貸す手伝う荷物が多そうだったので手を貸した。
手を焼く対応に困る反抗期の子どもに親は手を焼いている。
度肝を抜く非常に驚かせる彼の大胆な発表は会場の度肝を抜いた。
泥を塗る名誉や評判を傷つける不正行為はチームの名に泥を塗る行為だ。

な行の慣用句一覧

慣用句意味例文
長い目で見るすぐに結果を求めず、将来を考えて見守る新人の成長は長い目で見る必要がある。
涙をのむ悔しい思いをしながら我慢する決勝で敗れ、涙をのんで会場を後にした。
二の足を踏む迷ってなかなか行動できない高額な買い物に二の足を踏んでいる。
猫の手も借りたいとても忙しい年末の店は猫の手も借りたいほど忙しい。
猫をかぶる本性を隠しておとなしく見せる初対面では猫をかぶっていたが、すぐに本性が出た。
寝耳に水突然の知らせに驚く急な異動の話は寝耳に水だった。
根に持ついつまでも恨みに思う昔の失敗をいつまでも根に持たないでほしい。
根も葉もないまったく根拠がない根も葉もないうわさを広めてはいけない。
喉から手が出るとても欲しいその限定品は喉から手が出るほど欲しい。

は行の慣用句一覧

慣用句意味例文
歯が立たない相手が強すぎてかなわない全国大会の強豪には歯が立たなかった。
鼻が高い誇らしい息子が表彰され、親として鼻が高い。
鼻につく嫌な感じがする彼の自慢話は少し鼻につく。
鼻であしらう冷たく軽く扱う真剣な相談を鼻であしらわれた。
腹が立つ怒りを感じる約束を破られて腹が立った。
腹を割る本音を話す一度、腹を割って話し合おう。
膝を交える打ち解けて話し合う社長と社員が膝を交えて意見交換した。
火に油を注ぐ状況をさらに悪化させるその一言が火に油を注ぐ結果になった。
一肌脱ぐ人のために力を貸す困っている後輩のために一肌脱ぐことにした。
拍車をかける勢いをさらに強める新サービスの登場が競争に拍車をかけた。
骨が折れる苦労する細かいデータ整理は骨が折れる作業だ。
骨身にしみる深く身に感じる失敗して、準備の大切さが骨身にしみた。

ま行の慣用句一覧

慣用句意味例文
水に流す過去のいざこざをなかったことにするけんかのことは水に流して、また仲良くしよう。
水の泡努力や苦労が無駄になる保存し忘れて、作業が水の泡になった。
身が入る物事に集中して取り組む目標が決まると、勉強にも身が入る。
身に余る自分にはもったいないほどありがたい身に余るお言葉をいただき、感謝しています。
身につまされる他人事と思えず、しみじみ感じるその体験談は身につまされる内容だった。
身を粉にする苦労を惜しまず一生懸命働く家族のために身を粉にして働いた。
耳が痛い自分の弱点を指摘されてつらい生活習慣を注意され、耳が痛かった。
耳を疑う聞いたことが信じられない突然の発表に耳を疑った。
胸を張る自信を持って堂々とする努力したのだから、胸を張って発表すればいい。
目がないとても好きである彼は甘いものに目がない。
目を光らせる注意深く見張る先生が廊下で生徒の行動に目を光らせている。
目を丸くする驚く予想外の結果にみんなが目を丸くした。

や行の慣用句一覧

慣用句意味例文
矢面に立つ批判や質問を直接受ける立場になる担当者が矢面に立って説明した。
やり玉に挙げる多くの人が特定の人や物を非難する会議で彼の提案がやり玉に挙げられた。
山を張る出題や結果を予想して準備する試験範囲が広いので、重要そうなところに山を張った。
指をくわえるうらやましく思いながら見ているだけでいる人気商品が売り切れるのを指をくわえて見ていた。
夢にも思わないまったく予想しないまさか優勝するとは夢にも思わなかった。
弱音を吐く自信をなくして不満やつらさを言う苦しい練習でも弱音を吐かずに続けた。

ら行の慣用句一覧

慣用句意味例文
埒が明かない物事が進展しない話し合っても埒が明かないので、別の方法を考えた。
烙印を押される悪い評価を決定的に受ける一度の失敗で無責任だと烙印を押された。
溜飲が下がる不満や怒りが解消される正しい説明を聞いて、ようやく溜飲が下がった。
レールを敷く進む道筋を前もって決める親が子どもの将来にレールを敷きすぎるのはよくない。
レッテルを貼る一方的な評価を決めつける見た目だけで人にレッテルを貼ってはいけない。
老骨に鞭打つ年を取った体に無理をさせて頑張る祖父は老骨に鞭打って地域活動を続けている。
労を惜しまない面倒なことでも進んで努力する彼女は人のためなら労を惜しまない。

わ行の慣用句一覧

慣用句意味例文
若気の至り若さゆえの未熟な行動あの失敗は若気の至りだったと反省している。
我が世の春自分の思いどおりになり、得意な時期優勝後、チームは我が世の春を楽しんでいた。
脇が甘い注意や守りが不十分情報管理の脇が甘いと、大きな問題につながる。
脇目も振らずほかに気を取られず集中する彼は合格を目指して脇目も振らず勉強した。
割に合わない苦労や負担に対して得るものが少ないこの仕事量でその報酬では割に合わない。
輪をかけるさらに程度を強める今年の暑さは去年に輪をかけて厳しい。
我を忘れる夢中になって自分を抑えられなくなる応援に熱中して、つい我を忘れて叫んだ。

間違いやすい慣用句

慣用句は、よく使われる表現ほど意味を取り違えやすいことがあります。
特に、言葉の一部だけを見て判断すると、本来の意味とずれてしまう場合があります。

気が置けない

「気が置けない」は、遠慮しなくてよい、気を遣わずに付き合えるという意味です。

誤解されやすい意味本来の意味
気を許せない遠慮しなくてよい

例文:
彼とは気が置けない仲なので、何でも話せる。

「気が置けない人」は、苦手な人ではなく、親しい人を表します。

役不足

「役不足」は、その人の能力に対して役目が軽すぎるという意味です。

誤解されやすい意味本来の意味
能力が足りない役目が軽すぎる

例文:
彼ほどの実力者にこの仕事だけでは役不足だ。

自分の力が足りないと言いたいときは、
「力不足です」
を使うほうが自然です。

敷居が高い

「敷居が高い」は本来、相手に迷惑をかけたり不義理をしたりして、その家に行きにくいという意味で使われてきた表現です。

近年は「高級すぎて入りにくい」「自分には難しそう」という意味でも使われますが、文章で正確さを重視するなら注意しましょう。

使い方
本来の使い方以前失礼なことをしたので、あの家は敷居が高い。
現代でよく見る使い方高級店は初心者には敷居が高い。

流れに棹さす

「流れに棹さす」は、物事の流れに乗って勢いを増すという意味です。

「流れを止める」「逆らう」という意味ではありません。

例文:
新商品の好評が、会社の成長の流れに棹さした。

慣用句を自然に使うコツ

会話では短く使う

慣用句は、会話の中に短く入れると自然です。

たとえば、

  • それは寝耳に水だった。
  • 最近、仕事に身が入らない
  • 彼は本当に顔が広い

のように使うと、表現がわかりやすくなります。

無理に長い説明を加えるより、状況に合う慣用句を一つだけ入れるのがコツです。

作文では意味が伝わる文脈にする

作文やレポートで慣用句を使う場合は、前後の文で状況がわかるようにしましょう。

悪い例:
彼は頭を抱えた。

よい例:
提出直前にデータが消えてしまい、彼は頭を抱えた。

慣用句だけでは場面が伝わりにくいことがあります。
「なぜそうなったのか」を一文添えると、読み手に伝わりやすくなります。

ビジネス文書では使いすぎない

ビジネスメールや公式文書では、慣用句を使いすぎるとややくだけた印象になることがあります。

慣用句を使った表現より無難な表現
この件には手を焼いておりますこの件の対応に苦慮しております
先方に釘を刺しておきます先方に事前確認を行います
腹を割って話しましょう率直に意見交換しましょう

社内の会話や親しい相手には慣用句が便利ですが、
社外向けの文書では、誤解されにくい表現を選ぶと安心です。

慣用句を覚えるコツ

体の部位ごとに覚える

慣用句には、体の部位を使った表現が多くあります。

部位慣用句の例
目がない、目を光らせる、目を丸くする
耳が痛い、耳を疑う、寝耳に水
口が軽い、口を挟む、開いた口が塞がらない
顔が広い、顔が立つ、顔から火が出る
手を貸す、手を焼く、手に汗握る
足が出る、足を洗う、足を引っ張る

同じ部位を使う表現をまとめて覚えると、イメージで理解しやすくなります。

例文と一緒に覚える

慣用句は、意味だけを暗記するよりも、例文と一緒に覚えるほうが使いやすくなります。

たとえば「水に流す」を覚えるなら、

  • 意味:過去の争いや失敗をなかったことにする
  • 例文:昨日のけんかは水に流そう。

というように、場面ごと覚えるのがおすすめです。

似た表現を比べて覚える

意味が似ている慣用句は、違いを比べると整理しやすくなります。

慣用句意味の違い
頭を抱える困って悩む
気が重いこれからのことを考えて気分が沈む
肩を落とす失望してがっかりする
涙をのむ悔しさをこらえて我慢する

同じ「つらい気持ち」でも、
悩み・不安・失望・悔しさでは使う慣用句が変わります。

慣用句に関するよくある質問

慣用句は何個くらい覚えればいいですか?

まずは、日常会話や作文でよく出るものを50〜100個程度覚えると十分役立ちます。

最初から大量に覚えようとするより、

  • よく聞くもの
  • 例文を作りやすいもの
  • 学校や試験で出やすいもの

から優先すると覚えやすくなります。

慣用句は小学生でも覚えたほうがいいですか?

覚えておくと、読解力や表現力の向上に役立ちます。

特に小学生の場合は、難しい説明よりも、

  • 短い意味
  • 身近な例文
  • 会話での使い方

をセットで覚えるのがおすすめです。

慣用句は作文で使ってもいいですか?

使っても問題ありません。
ただし、文脈に合っていないと不自然になります。

たとえば「努力した結果、成功した」と書きたい場合に、
「水の泡」を使うと意味が合いません。

「水の泡」は、努力が無駄になったときに使う表現です。

慣用句とことわざは完全に分けられますか?

完全に分けにくい表現もあります。

一般的には、

  • 慣用句:決まった言い回し
  • ことわざ:教訓や知恵を含む言葉

と考えるとわかりやすいです。

ただし、辞典や教材によって分類が異なる場合もあるため、厳密に分けすぎる必要はありません。

まとめ

慣用句は、短い言葉で気持ちや状況をわかりやすく表せる便利な表現です。

この記事では、五十音順に定番の慣用句を紹介しました。

特に覚えておきたいポイントは、次の3つです。

  • 慣用句は、言葉どおりではなく全体で決まった意味を表す
  • 意味だけでなく、例文と一緒に覚えると使いやすい
  • 「気が置けない」「役不足」など、意味を間違いやすい表現には注意する

慣用句を正しく使えるようになると、会話や文章の表現がぐっと豊かになります。

まずは、よく使われる定番表現から少しずつ覚えていきましょう。

この記事を書いた人

敬語・丁寧表現、メール・LINEの文例、言葉の意味や違い、言い換え表現、表記ゆれなど、日常や仕事で迷いやすい日本語表現を実用重視で解説しています。
辞書・公的情報・一般的な使用実態などを確認しながら、初心者にもわかりやすい記事作成を心がけています。

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