ら抜き言葉とは?大人が直したい言い間違いまとめ

「食べれる」「見れる」「来れる」。

ふだんの会話ではよく耳にするのに、メールや仕事の場ではなんとなく気になる。
そんな言い方が、いわゆるら抜き言葉です。

ら抜き言葉は、単なる「若者言葉」と片付けられがちですが、実際には多くの人が日常的に使っています。とはいえ、大人としては“どこで直すべきか”を知っておくと安心です。

この記事では、ら抜き言葉の意味、よくある例、なぜ広がったのか、どんな場面で避けるべきかまで、初心者にもわかるように整理して解説します。

目次

ら抜き言葉とは

ら抜き言葉とは、可能の意味を表す「られる」から「ら」が抜けた言い方のことです。

たとえば、次のような形です。

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本来の形ら抜き言葉
食べられる食べれる
見られる見れる
来られる来れる
起きられる起きれる
出られる出れる

つまり、「〜できる」という意味で使うときに、本来なら入るはずの「ら」を省いた形が、ら抜き言葉です。

会話では自然に聞こえることもありますが、改まった場では違和感を持たれやすいため、大人は“使い分け”を知っておくことが大切です。

ら抜き言葉が気になる理由

ら抜き言葉が気になる人が多いのは、単に細かいからではありません。
気になる理由には、主に次の3つがあります。

文法的に本来の形と違うから

学校教育や辞書では、基本的に「食べられる」「見られる」などの形が基準とされます。

そのため、「食べれる」「見れる」は、くだけた話し方やゆれた言い方として受け取られやすいです。

幼く聞こえたり、雑に見えたりするから

ら抜き言葉は、話し言葉では珍しくありません。
ただし、相手によっては、

  • 子どもっぽい
  • 文章が雑
  • 敬語や日本語に無頓着

という印象につながることがあります。

特に、初対面・ビジネス・年上相手では、言葉づかい全体の印象に影響しやすいです。

メールや文章では目立ちやすいから

会話では聞き流されても、文章では形がそのまま残ります。

そのため、

  • メール
  • チャット
  • 提案書
  • お知らせ文
  • SNSの仕事用投稿

などでは、「この人、言葉づかいが雑かも」と思われる原因になりやすいです。

ら抜き言葉のよくある例一覧

まずは、よく使われるら抜き言葉をまとめて見てみましょう。

日常会話でよく出る例

スクロールできます
ら抜き言葉直したい形
食べれる食べられる
見れる見られる
来れる来られる
起きれる起きられる
出れる出られる
寝れる寝られる
着れる着られる
決めれる決められる
考えれる考えられる
伝えれる伝えられる

この中でも、特に耳にしやすいのは次の3つです。

  • 食べれる
  • 見れる
  • 来れる

この3つは日常会話でかなり広く使われていますが、改まった場では避けたほうが無難です。

仕事で直したい例

大人が特に気をつけたいのは、次のような言い方です。

  • 「本日中に送れます」ではなく「本日中に送ることができます/お送りできます**」
  • 「明日なら行けれます」ではなく「明日なら行けます」または「明日なら伺えます」
  • 「資料はすぐ見れます」ではなく「資料はすぐ見られます」
  • 「その日なら来れます」ではなく「その日なら伺えます/行けます**」
  • 「内容を確認できれます」のような混ざった言い方は避ける

仕事では、単に「ら」を戻すだけでなく、より自然な言い換えに直すと、文章全体の印象がよくなります。

ら抜き言葉は全部まちがいなのか

ここは多くの人が迷うところです。

結論から言うと、日常会話では広く使われている一方で、現時点では改まった場では本来の形を使うのが無難です。

つまり、

  • 会話ではかなり広がっている
  • でも、公的・文章的・改まった場面では基本形が安心

という理解がいちばん実用的です。

「絶対に使ってはいけない」と強く断言するより、
“場面によって評価が分かれる言い方” と考えるとわかりやすいでしょう。

会話では広がっている

実際には、ら抜き言葉を使う人は少なくありません。

ふだんの会話では自然に聞こえるため、家族や友人との間では気にならないことも多いです。

でも、改まった場では避けたほうがよい

一方で、スピーチ、書き言葉、ビジネス文書、対外的なメールなどでは、「見られる」「来られる」などの伝統的な形が基本と考えられています。

そのため、大人が身につけたいのは、
「普段の会話では耳にしても、自分が正式な場で使うときは整える」 という感覚です。

なぜら抜き言葉は広がったのか

ら抜き言葉が広がったのには、理由があります。
単に「日本語が乱れている」で終わらせると、かえって理解しにくくなります。

言いやすいから

「食べられる」「見られる」は、「られる」が続くぶん少し重く感じられます。
それに対して、「食べれる」「見れる」は口に出しやすく、テンポも軽いです。

会話では言いやすさが強く働くため、自然と広まりやすくなります。

可能の形がそろって見えるから

五段活用の動詞では、

  • 読む → 読める
  • 書く → 書ける
  • 話す → 話せる

のように、「〜える」で可能を表す形があります。

このパターンに引っぱられて、

  • 食べる → 食べれる
  • 見る → 見れる
  • 来る → 来れる

のように、同じ形にそろえたくなると考えられています。

意味がわかりやすいと感じることがあるから

「見られる」は、

  • 可能
  • 受け身
  • 尊敬

など、文脈によって意味が分かれます。

それに対して「見れる」は、日常感覚では可能の意味がはっきりして聞こえると感じる人もいます。

このわかりやすさも、広がった理由のひとつです。

どこまでがら抜き言葉なのか

ここで一度、混同しやすいポイントを整理しておきましょう。

すべての「れる」がら抜きではない

たとえば、

  • 書ける
  • 読める
  • 話せる
  • 飲める

これらは、ら抜き言葉ではありません。

もともと五段活用の動詞の可能形なので、正しい形です。

ら抜きになりやすいのは一段動詞や「来る」

ら抜き言葉として問題になりやすいのは、主に次のタイプです。

  • 見る
  • 食べる
  • 起きる
  • 寝る
  • 着る
  • 出る
  • 来る

これらは本来、

  • 見られる
  • 食べられる
  • 起きられる
  • 寝られる
  • 着られる
  • 出られる
  • 来られる

となるため、「ら」を落とすと、ら抜き言葉になります。

ら抜き言葉かどうかを見分ける簡単なコツ

「これって、ら抜き?」と迷ったときは、次の方法が便利です。

コツ1 「ない」の形を考える

動詞を「ない」の形にしてみます。

  • 見る → 見ない
  • 食べる → 食べない
  • 起きる → 起きない
  • 来る → 来ない

このタイプは、可能形で「られる」になることが多いので、
見れる・食べれる・起きれる・来れる は、ら抜きを疑いやすいです。

コツ2 五段動詞かどうかを見る

次のような形は五段動詞なので、可能形が「〜える」になります。

  • 読む → 読める
  • 書く → 書ける
  • 立つ → 立てる
  • 飲む → 飲める

これは、ら抜きではありません。

一方で、

  • 見る
  • 食べる
  • 起きる
  • 寝る

のような動詞で「〜れる」になっていたら、注意が必要です。

コツ3 迷ったら「〜ことができる」に言い換える

判断に迷ったら、いったん

  • 見ることができる
  • 食べることができる
  • 来ることができる

に置き換えると安全です。

特にビジネス文では、
「〜ことができる」「可能です」「対応できます」 に言い換えると、不自然さが減ります。

大人がら抜き言葉を直したい場面

ら抜き言葉は、全部を神経質に直す必要はありません。
ただし、次の場面では意識して整える価値があります。

仕事のメール

メールは読み返されるため、細かな言い回しが目につきやすいです。

たとえば、

  • × ご確認いただければ見れます
  • ○ ご確認いただければ見られます
  • ◎ ご確認いただけます

のように、より自然な表現まで整えるのがおすすめです。

面接や発表

面接や発表では、話の内容だけでなく、言葉づかいも見られます。

少しの違和感でも、

  • 幼く聞こえる
  • 雑に感じる
  • 準備不足に見える

ことがあるため、本来の形を使うほうが安心です。

接客や電話対応

接客では、正しさだけでなく、感じのよさも重要です。

  • 「こちらから見れます」
    より
  • 「こちらからご覧になれます」
  • 「こちらでご確認いただけます」

のほうが、やわらかく丁寧に伝わります。

文章を書いて公開するとき

ブログ、社内文書、配布資料、保護者向け文書など、公開される文章では、表記ゆれが信頼感に影響します。

読み手に余計な引っかかりを与えないためにも、基本形に整えておくのがおすすめです。

ら抜き言葉を自然に直す言い換え例

単純に「ら」を戻すだけだと、少しかたくなることもあります。
そこで、自然に直せる言い換えも覚えておくと便利です。

見れる

  • 見られる
  • 見ることができる
  • ご覧いただける

来れる

  • 来られる
  • 来ることができる
  • お越しいただける
  • 伺える

食べれる

  • 食べられる
  • 食べることができる
  • 召し上がれる(相手が主語のとき)

使える言い換えの考え方

相手・場面・文の種類で選ぶと失敗しにくいです。

スクロールできます
場面おすすめ表現
日常会話見られる、来られる
仕事のメールご確認いただける、対応できます
接客ご覧いただけます、お越しいただけます
かたい文章〜ことができる、可能です

ら抜き言葉以外にも気をつけたい言い方

ら抜き言葉だけを直しても、ほかの言葉づかいで印象を損ねることがあります。
あわせて見直したいのが、次の表現です。

さ入れ言葉

例:

  • × 読まさせていただきます
  • ○ 読ませていただきます
  • × 行かさせていただきます
  • ○ 行かせていただきます

丁寧にしようとして、かえって不自然になる代表例です。

い抜き言葉

例:

  • × 見てた
  • ○ 見ていた
  • × 読んでた
  • ○ 読んでいた

会話では自然でも、文章ではややくだけて見えます。

〜させていただくの使いすぎ

  • 「確認させていただきます」
  • 「連絡させていただきます」
  • 「説明させていただきます」

は便利ですが、連続するとくどく見えます。

ときには、

  • 確認します
  • ご連絡します
  • ご説明します

としたほうが、すっきりして伝わります。

ら抜き言葉を減らすコツ

「直そう」と思っても、会話ではつい出てしまうものです。
無理なく減らすには、次の方法が効果的です。

よく使う3語だけ先に直す

まずはこの3つだけ意識すると変わりやすいです。

  • 見れる → 見られる
  • 来れる → 来られる
  • 食べれる → 食べられる

使用頻度が高いので、ここを直すだけでも印象がかなり変わります。

書き言葉から先に整える

会話をいきなり直すのは難しいので、先に

  • メール
  • チャット
  • SNS投稿
  • メモ
  • 企画書

など、書く場面から整えるのがおすすめです。

書き言葉で慣れると、話し言葉にも少しずつ反映されます。

音読して違和感をチェックする

文章を書いたら、声に出して読んでみましょう。

「見れます」「来れます」が混ざっていると、
自分でも「あれ?」と気づきやすくなります。

正すより、言い換える

どうしても迷うときは、無理に「られる」を使おうとせず、

  • 可能です
  • 対応できます
  • ご覧いただけます
  • 確認できます

のように言い換えたほうが、自然でスマートです。

ら抜き言葉についてのよくある疑問

ら抜き言葉は若者だけの言葉ですか

いいえ、若い世代で多く見られる傾向はありますが、若者だけの言葉ではありません。
すでに幅広い年代で使われています。

友達との会話でも直したほうがいいですか

必ずしもそうとは限りません。
友人同士の会話なら自然に聞こえることも多いです。

ただし、仕事モードに切り替えたい人は、日常から少しずつ整えておくと本番で困りません。

「来れる」は特に広がっている気がします

実際に、「来れる」「見れる」のような形は使用が広がっています。
ただし、広がっていることと、改まった場で安心して使えることは別です。

大人としては、
広まっているけれど、正式な場では控える
という感覚を持っておくと失敗しにくいです。

ら抜き言葉を使うと失礼ですか

それだけで直ちに失礼とは言えません。
ただし、相手や場面によっては、

  • 雑に聞こえる
  • 幼く感じる
  • 文章力に不安を持たれる

ことがあります。

失礼そのものというより、印象面で損をしやすい表現だと考えるとわかりやすいです。

まとめ

ら抜き言葉とは、「食べられる」「見られる」などの“ら”を抜いた言い方です。

会話では広く使われていますが、現時点では、
メール・接客・面接・発表・公的な文章では、本来の形を使うほうが安心です。

大人が意識したいポイントは、次の4つです。

  • ら抜き言葉は日常会話では広がっている
  • でも改まった場では避けたほうが無難
  • まずは「見れる・来れる・食べれる」から直す
  • 迷ったら「〜ことができる」「対応できます」に言い換える

言葉づかいは、全部を堅くすればよいわけではありません。
大切なのは、相手と場面に合わせて、伝わりやすく整えることです。

「普段は自然に話す。でも、必要な場ではきちんと整えられる」

その感覚があるだけで、言葉の印象はぐっと大人らしくなります。

この記事を書いた人

敬語・丁寧表現、メール・LINEの文例、言葉の意味や違い、言い換え表現、表記ゆれなど、日常や仕事で迷いやすい日本語表現を実用重視で解説しています。
辞書・公的情報・一般的な使用実態などを確認しながら、初心者にもわかりやすい記事作成を心がけています。

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