盛夏の候はいつ使う?意味とビジネス文例

「盛夏の候」は、夏の暑さが本格的になった時期に使う、改まった時候の挨拶です。

ビジネス文書や案内状、お礼状、送付状などで使いやすい表現ですが、使う時期を間違えると季節感がずれて見えることがあります。

特に注意したいのは、次の2点です。

・梅雨明け前にはやや早い
・立秋を過ぎたら「残暑の候」などに替える

この記事では、「盛夏の候」の意味、使える時期、ビジネスでそのまま使える文例、言い換え表現までわかりやすく解説します。

目次

盛夏の候の意味と読み方

「盛夏の候」は、せいかのこうと読みます。

「盛夏」は、夏の盛り、つまり夏らしい暑さが本格化した時期を表す言葉です。

「候」は「季節」「時節」「この頃」といった意味を持ちます。

そのため、「盛夏の候」は、かみくだくと次のような意味になります。

夏の暑さが盛りを迎える季節になりました

ビジネス文書では、相手の健康や会社の繁栄を願う言葉と組み合わせて使います。

盛夏とは「夏の盛り」のこと

「盛夏」は、単に暑い日を指すだけではありません。

梅雨が明け、日差しが強まり、夏本番を感じる時期に使う表現です。

たとえば、次のような季節感を含みます。

・梅雨が明けて空が晴れやすくなる
・日差しが強くなる
・蝉の声や夏祭りなど、夏らしさが増す
・暑中見舞いやお中元の時期と重なりやすい

つまり「盛夏の候」は、夏の到来を丁寧に伝える挨拶として使えます。

候とは「この頃」「季節」のこと

「候」は、時候の挨拶でよく使われる言葉です。

「盛夏の候」のほかにも、次のような表現があります。

表現意味の目安
初夏の候夏の始まりの頃
梅雨の候梅雨の時期
盛夏の候夏本番の頃
大暑の候暑さが最も厳しい頃
残暑の候立秋後も暑さが残る頃

「候」は改まった印象があるため、ビジネス文書・礼状・案内状・通知文などに向いています。

盛夏の候はいつ使う?

「盛夏の候」は、一般的に梅雨明け後から立秋の前日ごろまで使いやすい表現です。

月でいうと、主に7月中旬から8月上旬が目安です。

ただし、地域や年によって梅雨明けの時期は変わります。形式的に「7月だから使う」と考えるより、相手の地域が夏本番に入っているかを意識すると自然です。

基本は「梅雨明け後から立秋前日まで」

「盛夏の候」は、夏の盛りを表す言葉です。

そのため、まだ梅雨が続いている時期に使うと、少し早く感じられることがあります。

基本の目安は次のとおりです。

時期盛夏の候の使いやすさ理由
6月避けたほうがよいまだ初夏・梅雨の印象が強い
7月上旬地域によって判断梅雨明け前なら早いことがある
7月中旬〜下旬使いやすい夏本番の時期に合いやすい
8月上旬立秋前なら使えるまだ夏の盛りとして自然
立秋後避けたほうがよい暦の上では秋に入るため

2026年の場合、二十四節気では小暑が7月7日、大暑が7月23日、立秋が8月7日です。

そのため、2026年の目安としては、梅雨明け後から8月6日ごろまでが「盛夏の候」を使いやすい時期です。

7月上旬に使うときの注意点

7月上旬でも、すでに梅雨が明けて夏らしい暑さになっていれば「盛夏の候」は使えます。

ただし、梅雨明け前で雨が続いている場合は、次の表現のほうが自然です。

・梅雨明けの候
・長雨の候
・小暑の候
・七夕の候
・向暑の候

特にビジネス文書では、相手に違和感を与えないことが大切です。

迷ったときは、「盛夏の候」よりも「小暑の候」や「梅雨明けの候」を選ぶと無難です。

8月に使うなら上旬までが目安

8月でも、立秋前であれば「盛夏の候」は使えます。

ただし、立秋を過ぎると暦の上では秋になるため、次のような表現に替えるのが自然です。

・残暑の候
・晩夏の候
・立秋の候
・残炎の候

実際の気温が高くても、手紙やビジネス文書では暦を意識することがあります。

そのため、8月中旬以降は「盛夏の候」ではなく「残暑の候」を使うとよいでしょう。

盛夏の候を使う場面

「盛夏の候」は、やや改まった表現です。

日常会話よりも、手紙・文書・メールの書き出しに向いています。

ビジネス文書で使う

ビジネスでは、次のような文書に使えます。

・案内状
・お礼状
・送付状
・挨拶状
・通知文
・お中元のお礼状
・暑中見舞い
・取引先へのメール

特に、社外向けの文書では使いやすい表現です。

一方で、社内の短い連絡やチャットでは少し堅く見えることがあります。

個人向けの手紙にも使える

「盛夏の候」は、個人宛ての手紙にも使えます。

ただし、親しい相手にはやや堅い印象になるため、やわらかくしたい場合は次のように書くと自然です。

盛夏の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

また、より親しみを出すなら、漢語調ではなく口語に近い表現にしてもよいでしょう。

夏本番の暑さが続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。

盛夏の候の基本的な書き方

ビジネス文書では、「盛夏の候」だけで終わらせず、相手の繁栄や健康を喜ぶ言葉を続けます。

基本形は次のとおりです。

拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

そのあとに、日頃の感謝や本題を続けます。

書き出しの基本形

ビジネス文書では、次の流れにすると自然です。

  1. 頭語
  2. 時候の挨拶
  3. 相手の繁栄や健康を喜ぶ言葉
  4. 日頃の感謝
  5. 本題

例文にすると、次のようになります。

拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

この形を覚えておくと、多くのビジネス文書に応用できます。

「貴社」「貴殿」「皆様」の使い分け

「盛夏の候」のあとに続く言葉は、相手によって変えます。

相手使いやすい表現
会社・法人貴社貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
個人貴殿貴殿ますますご健勝のこととお慶び申し上げます
複数の人皆様皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
店舗・団体皆様・貴店・貴会貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます

法人宛てでは「貴社」、個人宛てでは「貴殿」や「○○様」を使うと自然です。

「お喜び」と「お慶び」の違い

ビジネス文書では、「お喜び」よりも「お慶び」がよく使われます。

「慶び」は、祝いの気持ちや改まった場面に合う表記です。

表記印象使う場面
お喜びやや一般的個人向け・やわらかい文面
お慶び改まった印象ビジネス文書・挨拶状・礼状

迷った場合、社外向けの文書では「お慶び申し上げます」を選ぶとよいでしょう。

盛夏の候を使ったビジネス文例

ここからは、そのまま使える文例を場面別に紹介します。

必要に応じて、会社名・相手名・用件を入れ替えて使ってください。

取引先への一般的な挨拶文例

拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、このたびは〇〇につきまして、下記のとおりご案内申し上げます。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご確認くださいますようお願い申し上げます。

敬具

案内状に使える文例

拝啓 盛夏の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

このたび、下記の日程にて〇〇説明会を開催する運びとなりました。
ご多忙の折とは存じますが、ぜひご参加賜りますようお願い申し上げます。

敬具

送付状に使える文例

拝啓 盛夏の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。

さて、ご依頼いただきました資料を同封いたしました。
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。

敬具

お中元のお礼状に使える文例

拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

このたびは結構なお品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。
日頃より温かいお心遣いを賜り、深く感謝申し上げます。

暑さ厳しき折、皆様のご健勝と貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

暑中見舞いに使える文例

拝啓 盛夏の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
平素は格別のご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。

厳しい暑さが続いておりますが、くれぐれもご自愛ください。
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

敬具

社内の目上の人に使える文例

拝啓 盛夏の候、〇〇様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃より温かいご指導を賜り、誠にありがとうございます。

暑さ厳しき折ではございますが、どうぞお身体を大切にお過ごしください。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

敬具

ビジネスメールで使える短めの文例

件名:〇〇のご案内

株式会社〇〇
〇〇様

盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より大変お世話になっております。

〇〇株式会社の〇〇です。

このたび、〇〇についてご案内申し上げます。
詳細は添付資料をご確認いただけますと幸いです。

ご不明点がございましたら、お気軽にお知らせください。
何卒よろしくお願い申し上げます。

盛夏の候の結びの言葉

文末には、相手の健康や発展を願う一文を入れると、丁寧な印象になります。

ただし、書き出しで「盛夏の候」を使っているため、結びでは同じ表現を繰り返しすぎないようにしましょう。

ビジネス向けの結び

・暑さ厳しき折、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
・炎暑のみぎり、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
・厳しい暑さが続きますが、今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
・時節柄、皆様におかれましてはくれぐれもご自愛ください。
・貴社のさらなるご隆盛を心よりお祈り申し上げます。

個人向けの結び

・暑さ厳しき折、どうぞお身体を大切にお過ごしください。
・寝苦しい夜が続きますが、体調を崩されませんようご自愛ください。
・夏の疲れが出やすい時期ですので、くれぐれも無理なくお過ごしください。
・皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

盛夏の候の言い換え表現

「盛夏の候」が時期に合わない場合は、別の時候の挨拶に言い換えましょう。

特に、梅雨明け前・7月下旬・立秋後では、より自然な表現が変わります。

表現使いやすい時期意味・ニュアンス
向暑の候6月下旬〜7月上旬暑さに向かう時期
小暑の候7月7日ごろ〜7月中旬暑さが本格化し始める頃
梅雨明けの候梅雨明け直後梅雨が明けた頃
盛夏の候梅雨明け後〜立秋前夏本番の頃
大暑の候7月下旬〜8月上旬一年で暑さが厳しい頃
炎暑の候7月下旬〜8月上旬焼けるように暑い頃
猛暑の候厳しい暑さが続く時期非常に暑い頃
残暑の候立秋後〜8月下旬ごろ暦の上では秋だが暑さが残る頃

梅雨明け前なら「小暑の候」「向暑の候」

梅雨明け前に「盛夏の候」を使うと、季節を先取りしすぎた印象になることがあります。

7月上旬で迷う場合は、次の表現が使いやすいです。

小暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

向暑の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

暑さを強調するなら「猛暑の候」「炎暑の候」

特に暑さが厳しい時期には、「猛暑の候」や「炎暑の候」も使えます。

ただし、「猛暑」は強い暑さを表すため、落ち着いた印象にしたい文書では「盛夏の候」のほうが使いやすい場合もあります。

猛暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

炎暑の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

立秋後なら「残暑の候」

立秋を過ぎたら、まだ暑くても「盛夏の候」は避けるのが無難です。

その場合は、次のように書きます。

残暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

「残暑の候」は、暦の上では秋に入ったものの、暑さが残っている時期に合う表現です。

盛夏の候で間違えやすいポイント

「盛夏の候」は便利な表現ですが、使い方には注意点があります。

特に、時期・相手・文体の3つを意識しましょう。

梅雨明け前に使わない

「盛夏」は夏本番を表す言葉です。

梅雨が長引いている地域に送る場合は、少し不自然に感じられることがあります。

相手の地域がまだ梅雨の最中なら、次の表現が自然です。

・長雨の候
・梅雨明けが待たれる頃
・小暑の候
・向暑の候

立秋後に使わない

立秋後は、暦の上では秋です。

実際には暑さが続いていても、手紙やビジネス文書では「残暑の候」を使うほうが自然です。

特に8月中旬以降は、次のように言い換えましょう。

残暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

カジュアルなメールでは硬すぎることがある

「盛夏の候」は、改まった表現です。

社内の短いメールや、普段からやり取りの多い相手には、少し堅く感じられることがあります。

その場合は、次のようにやわらかく書くと自然です。

暑い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

夏本番の暑さとなりましたが、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。

「盛夏の候、暑さ厳しき折」の重複に注意する

「盛夏の候」自体に、夏の暑さが盛りである意味があります。

そのため、同じ文の中で暑さを何度も重ねると、くどい印象になります。

たとえば、次の文は少し重く感じられます。

盛夏の候、厳しい暑さが続く暑い季節となりましたが、皆様にはお変わりございませんでしょうか。

すっきり直すなら、次のようにします。

盛夏の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。

または、

厳しい暑さが続いておりますが、皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。

漢語調にするか、やわらかい口語調にするかを決めると、文章が整いやすくなります。

盛夏の候を自然に使うコツ

「盛夏の候」は、定型文として使うだけでも問題ありません。

ただし、少し工夫すると、形式的すぎない文章になります。

相手の状況に合わせる

取引先には、会社の発展を願う表現を使います。

盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

個人には、健康を気遣う表現が自然です。

盛夏の候、〇〇様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

複数人には、「皆様」を使うと便利です。

盛夏の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。

本題へ入る前に感謝を添える

ビジネス文書では、時候の挨拶のあとに感謝を入れると丁寧です。

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

日頃より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

いつも温かいご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

この一文があるだけで、文書全体の印象が整います。

結びでは健康への配慮を入れる

夏の挨拶では、相手の体調を気遣う言葉がよく合います。

時節柄、くれぐれもご自愛ください。

暑さ厳しき折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

炎暑のみぎり、どうぞお身体を大切にお過ごしください。

暑さを話題にしつつ、相手を思いやる形にすると、自然で好印象な結びになります。

盛夏の候のよくある質問

盛夏の候は7月上旬に使えますか?

使える場合もあります。

ただし、梅雨明け前の地域では少し早く感じられることがあります。

7月上旬に使うなら、相手の地域の季節感に合っているかを確認しましょう。迷う場合は「小暑の候」「向暑の候」「梅雨明けの候」などが使いやすいです。

盛夏の候は8月にも使えますか?

立秋前の8月上旬なら使えます。

ただし、立秋を過ぎたら「残暑の候」や「晩夏の候」に替えるのが自然です。

盛夏の候はメールで使ってもよいですか?

使えます。

ただし、かなり改まった印象になるため、取引先への正式な案内やお礼、送付状などに向いています。

日常的な社内メールでは、次のような表現のほうが自然です。

暑い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

盛夏の候と大暑の候の違いは何ですか?

「盛夏の候」は、夏本番の時期を広く表す表現です。

一方、「大暑の候」は二十四節気の「大暑」に基づく表現で、7月下旬から8月上旬ごろの暑さが厳しい時期に使いやすい言葉です。

大まかに使うなら「盛夏の候」、7月下旬以降の暑さをより暦に合わせて表したいなら「大暑の候」が向いています。

盛夏の候と猛暑の候はどちらが丁寧ですか?

どちらもビジネスで使えます。

ただし、「猛暑の候」は暑さの厳しさを強く表すため、やや直接的です。

落ち着いた印象にしたい場合は「盛夏の候」、厳しい暑さをはっきり表したい場合は「猛暑の候」を使うとよいでしょう。

まとめ

「盛夏の候」は、梅雨明け後から立秋の前日ごろまで使いやすい時候の挨拶です。

意味は「夏の暑さが盛りを迎える季節になりました」ということです。

ビジネス文書では、次の形で使うと自然です。

拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

使うときは、次の点に注意しましょう。

・梅雨明け前は「小暑の候」「向暑の候」などを検討する
・立秋後は「残暑の候」に替える
・社外文書では「お慶び申し上げます」が使いやすい
・結びでは相手の健康や発展を願う言葉を添える

「盛夏の候」は、時期さえ合っていれば、ビジネス文書を上品に整えてくれる便利な表現です。

この記事を書いた人

敬語・丁寧表現、メール・LINEの文例、言葉の意味や違い、言い換え表現、表記ゆれなど、日常や仕事で迷いやすい日本語表現を実用重視で解説しています。
辞書・公的情報・一般的な使用実態などを確認しながら、初心者にもわかりやすい記事作成を心がけています。

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