「折り返し」という言葉は、電話でもメールでもよく使われます。
ただ、何となく使っていると、意味があいまいなままになったり、少し不自然な表現になったりすることがあります。
とくにビジネスでは、
- 「折り返しお電話いたします」
- 「折り返しご連絡いたします」
- 「後ほど改めてご連絡します」
のような似た表現が多く、違いに迷いやすいものです。
この記事では、「折り返し」の意味をわかりやすく整理したうえで、電話とメールでの使い方、自然な例文、注意点までまとめて解説します。
読み終えるころには、相手に失礼のない言い回しを迷わず選べるようになります。
折り返しの意味
「折り返し」とは、相手からの連絡や働きかけを受けて、改めて連絡すること、または間を置かずに対応することを表す言葉です。
ビジネスで使うときは、主に次の2つの意味で使われます。
| 使う場面 | 折り返しの意味 |
|---|---|
| 電話 | かかってきた電話に対して、こちらからかけ直すこと |
| メール | すぐに返答できない内容に対して、確認後に改めて返信・連絡すること |
つまり、「折り返し」には単なる“再連絡”だけでなく、できるだけ早く対応するというニュアンスも含まれます。
そのため、ビジネスで「折り返しご連絡いたします」と言うと、
「確認のうえ、できるだけ早く改めて連絡します」という印象になります。
折り返しは電話とメールでどう使い分ける?
「折り返し」は同じ言葉でも、電話とメールでは少し使い方が異なります。
電話での折り返し
電話では、不在着信に気づいてかけ直すときや、担当者が不在のため、あとで連絡すると伝えるときによく使います。
たとえば、次のような形です。
- 先ほどはお電話に出られず、失礼いたしました。折り返しご連絡いたしました。
- 担当の者が戻り次第、折り返しお電話いたします。
電話の場面では、「かけ直す」ことがはっきり見える表現として使われるのが特徴です。
メールでの折り返し
メールでは、その場ですぐに回答できないときや、電話に出られなかったあとに連絡手段をメールへ切り替えるときによく使います。
たとえば、次のように使えます。
- 内容を確認のうえ、折り返しご連絡いたします。
- 先ほどはお電話に出られず申し訳ございません。折り返しお電話いたします。
メールでの「折り返し」は、電話のように“かけ直す”だけでなく、確認後に返信する・改めて連絡するという意味でも自然です。
「折り返し」と「改めて」の違い
混同しやすいのが「改めて」です。
両者の違いを簡単に言うと、次の通りです。
- 折り返し:相手の連絡を受けて、なるべく早く返す
- 改めて:今この場ではなく、別のタイミングで再度行う
たとえば、
- 折り返しお電話いたします
→ 今の連絡を受けて、早めにかけ直すニュアンス - 改めてご連絡いたします
→ タイミングを改めて、後ほど連絡するニュアンス
すぐ対応する印象を出したいなら「折り返し」、
少し時間を置く前提なら「改めて」のほうが自然です。
折り返しを電話で使うときの正しい言い方
電話では、言い方ひとつで印象がかなり変わります。
ここでは、ビジネスで使いやすい表現を場面別に整理します。
自分が不在着信に折り返すときの基本フレーズ
まずは、相手に電話をかけ直したときの基本形です。
基本の流れは次の通りです。
- 名乗る
- 先ほどの着信への折り返しだと伝える
- 出られなかったことを軽くお詫びする
- 用件に入る
そのまま使いやすい例は、こちらです。
お世話になっております。株式会社〇〇の△△です。
先ほどはお電話をいただいておりましたが、出ることができず失礼いたしました。
折り返しご連絡いたしました。
これだけで、かなり丁寧です。
長く言いすぎるより、簡潔で聞き取りやすいことのほうが大切です。
相手に待ってもらうときの言い方
担当者が席を外している場合や、自分がすぐに答えられない場合は、折り返しの予定をはっきり伝えると親切です。
たとえば、次のように言えます。
担当の者が戻り次第、折り返しお電話いたします。
内容を確認のうえ、本日中に折り返しご連絡いたします。
15時ごろまでには、こちらから折り返しご連絡いたします。
ここで大切なのは、「いつ連絡するか」をできるだけ具体的に言うことです。
「折り返します」だけだと、相手はいつ待てばよいのかわかりません。
折り返しが遅れてしまったときの言い方
すぐに対応できず、折り返しが遅れてしまうこともあります。
その場合は、まず一言お詫びを入れましょう。
ご連絡が遅くなり、申し訳ございません。
先ほどはお電話をいただいておりましたが、外出中のため確認が遅れました。
ただいま折り返しご連絡いたしました。
ここでも、言い訳を長くしないことが重要です。
理由は短く、事実だけ伝えれば十分です。
相手がまた不在だったときの対応
せっかく折り返しても、相手が不在のことがあります。
その場合は、何度も電話だけを繰り返すより、メールを併用するとやり取りがスムーズです。
たとえば、電話のあとに次のようなメールを送ると親切です。
先ほどお電話いたしましたが、ご不在でしたのでメールにて失礼いたします。
ご都合のよいお時間がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
電話とメールをうまく使い分けると、行き違いを減らせます。
社外の相手に担当者不在を伝えるときの注意点
見落としがちですが、社外の相手に対しては、自社の人を必要以上に高く扱わないのが基本です。
たとえば、外部の相手に対しては、
- 〇〇部長は席を外しておられます
- 田中先生はただいま不在です
よりも、
- 担当の田中は席を外しております
- 〇〇はただいま外出しております
のほうが基本に沿った言い方です。
細かい点ですが、電話応対の印象を左右しやすい部分です。
折り返しをメールで使うときの書き方
メールで「折り返し」を使うときは、電話以上にわかりやすさが大切です。
相手は声の調子ではなく、文字だけで意図を判断するからです。
メールで押さえたい3つの基本
メールでは、次の3点を入れると伝わりやすくなります。
- 電話に出られなかったことへのお詫び
- 折り返しどう対応するか
- 連絡の目安や相手へのお願い
たとえば、次の一文は非常に使いやすい形です。
先ほどはお電話をいただき、ありがとうございました。出ることができず失礼いたしました。内容を確認のうえ、折り返しご連絡いたします。
この形なら、丁寧さと要点が両立できます。
件名は用件が一目でわかるようにする
件名は、できるだけ具体的にしましょう。
使いやすい例は次の通りです。
- お電話に出られず失礼いたしました
- 本日のお電話について
- お電話のお礼と折り返しのご連絡
- 不在着信のお詫びとご連絡
件名があいまいだと、相手が後回しにしてしまうことがあります。
メールを開かなくても内容が想像できる件名が理想です。
社外向けメールの例文
取引先や初めての相手には、丁寧めの表現が安心です。
件名:お電話に出られず失礼いたしました
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。株式会社△△の□□でございます。
先ほどはお電話をいただき、誠にありがとうございました。
あいにく電話に出ることができず、失礼いたしました。内容を確認のうえ、折り返しご連絡いたします。
ご都合のよいお時間がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
相手に配慮を示したいときは、「ご都合のよいお時間がございましたら」の一文を入れると印象がやわらかくなります。
社内向けメールの例文
社内向けなら、少し簡潔でも問題ありません。
件名:先ほどのお電話について
お疲れ様です。
先ほどお電話をいただいておりましたが、会議中のため出ることができませんでした。申し訳ありません。
内容を確認し、折り返しご連絡いたします。
お急ぎでしたらメールでご指示いただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
社内ではスピードも大切なので、丁寧すぎて長い文章より、要点が見える文章のほうが好まれます。
「折り返しご連絡させていただきます」は使っていい?
結論から言うと、完全な誤りとまでは言えません。
ただし、少し回りくどく感じる人もいるため、迷ったら次の表現のほうがすっきりします。
- 折り返しご連絡いたします
- 後ほどご連絡いたします
- 確認のうえ、改めてご連絡いたします
とくに文章では、
「させていただきます」が続くと重たく見えやすいため、シンプルな表現のほうが読みやすくなります。
折り返しを使うときの注意点
「折り返し」は便利な言葉ですが、使い方を間違えると印象がぼやけます。
ここでは、よくある注意点をまとめます。
何に対する折り返しかを明確にする
「折り返します」だけでは、相手は
- 電話をかけ直すのか
- メールを送るのか
- 今日中なのか後日なのか
がわかりません。
そのため、できれば
- 折り返しお電話いたします
- 内容を確認のうえ、折り返しご連絡いたします
- 本日中に折り返しご連絡いたします
のように、手段とタイミングを補うのが理想です。
言い訳を長くしない
出られなかった理由を細かく説明しすぎると、かえって印象が悪くなることがあります。
たとえば、
- 会議中のため出ることができませんでした
- 外出中で確認が遅くなりました
程度で十分です。
大切なのは、理由を詳しく述べることではなく、
お詫びと次の対応を明確にすることです。
すぐに返せないなら目安を示す
「折り返し」と言いながら、何時間も何日も連絡がないと、相手は不安になります。
確認に時間がかかるなら、最初から
- 本日中にご連絡いたします
- 明日の午前中までにご連絡いたします
- 確認後、改めてご返信いたします
のように伝えましょう。
何度も行き違うならメールを併用する
電話だけで連絡を取り続けると、双方の負担が大きくなります。
何度かつながらない場合は、メールで補足するのが実務的です。
電話にこだわりすぎず、連絡を完了させることを優先するのが、結果的に親切です。
折り返しの使い方がすぐわかる例文集
ここでは、よくある場面ですぐ使える例文をまとめます。
電話で折り返すときの例文
基本形
お世話になっております。株式会社〇〇の△△です。
先ほどはお電話をいただいておりましたが、出ることができず失礼いたしました。
折り返しご連絡いたしました。
折り返しが遅れた場合
ご連絡が遅くなり申し訳ございません。
先ほどお電話をいただいていた件で、折り返しご連絡いたしました。
担当者不在を伝える場合
申し訳ございません。担当の田中はただいま席を外しております。
戻り次第、折り返しお電話いたします。
用件を確認してから連絡する場合
内容を確認のうえ、本日中に折り返しご連絡いたします。
メールで使える例文
社外向け
先ほどはお電話をいただき、ありがとうございました。
あいにく出ることができず、失礼いたしました。
内容を確認のうえ、折り返しご連絡いたします。
社内向け
先ほどお電話をいただいていた件、確認しました。
詳細を整理して、折り返しご連絡いたします。
相手の都合を聞きたいとき
こちらから折り返しお電話いたしますので、ご都合のよいお時間がございましたらお知らせください。
電話がつながらないためメールへ切り替えるとき
先ほどお電話いたしましたが、ご不在でしたのでメールにて失礼いたします。
ご確認のうえ、ご都合のよいタイミングでご返信いただけますと幸いです。
折り返しの意味と使い方を正しく理解しておこう
「折り返し」は、ビジネスで非常によく使う言葉です。
ただ便利なぶん、意味を曖昧にしたまま使うと、相手に伝わりにくくなることがあります。
ポイントを最後に整理すると、次の通りです。
- 「折り返し」は、相手からの連絡を受けて改めて連絡することを表す
- 電話では、不在着信へのかけ直しの意味で使うことが多い
- メールでは、確認後に改めて返信・連絡する意味でも自然に使える
- 「折り返します」だけで終わらせず、連絡手段とタイミングを添えると親切
- 相手を待たせる場面では、お詫び・対応方針・目安を簡潔に伝えることが大切
迷ったときは、まず
折り返しご連絡いたします。
内容を確認のうえ、改めてご連絡いたします。
のどちらかを使えば、大きく外しにくいです。
「丁寧に見せること」よりも、
相手が安心して次の行動を取れる伝え方になっているかを意識すると、自然で感じのよい文章になります。
