電話を受ける時の敬語|名乗り・取次ぎ・不在対応の言い方

会社の電話対応で大切なのは、丁寧に話すことだけではありません。
相手の話を正確に受け取り、必要な人へきちんとつなぐことまで含めて、よい電話応対です。

特に、電話を受ける側が最初に押さえたいのは次の3場面です。

  • 最初に出るときの名乗り
  • 担当者へつなぐときの取次ぎ
  • 担当者がいないときの不在対応

この3つを自然に言えるようになるだけで、電話対応はかなり安定します。
この記事では、初心者でもそのまま使える言い方を中心に、場面ごとの敬語をわかりやすく整理します。

目次

電話を受ける時の敬語でまず覚えたい基本

電話応対では、難しい敬語を多く使うよりも、短く・わかりやすく・失礼なく話すことが大切です。

基本の流れは、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 電話に出て、会社名と自分を名乗る
  2. 相手の会社名・名前を確認する
  3. 誰宛ての電話か、用件は何かを聞く
  4. 担当者へつなぐ、または不在対応をする
  5. 必要なら伝言を受け、内容を残す

電話が苦手な人ほど、毎回アドリブで話そうとしがちです。
まずは一言目の型を決めておくと、落ち着いて対応しやすくなります。

最初の一言は型で覚える

最初に出るときは、次の形で覚えると使いやすいです。

「お電話ありがとうございます。○○株式会社の△△でございます。」

この一言で、相手は「つながった先が合っているか」「誰が出たか」をすぐ確認できます。

丁寧でも長すぎないほうが伝わる

電話は顔が見えないぶん、長い説明はかえって聞き取りにくくなります。
敬語は丁寧さのために使いますが、言い回しが長くなりすぎると不自然です。

たとえば、

  • 丁寧で自然
    「ただいま担当におつなぎいたします。少々お待ちください。」
  • 丁寧すぎて重い
    「ただいま担当の者にお取り次ぎをさせていただきますので、少々そのままでお待ちいただけますでしょうか。」

後者でも間違いではありませんが、受電では前者のほうが聞き取りやすく、実務でも使いやすいです。

名乗りの敬語|最初に出る時の自然な言い方

名乗りは、電話対応の第一印象を左右する部分です。
ここで大事なのは、明るく、はっきり、短く言うことです。

電話に出る時の基本フレーズ

まずはこの形を覚えておけば十分です。

  • 「お電話ありがとうございます。○○株式会社の△△でございます。」
  • 「はい、○○株式会社、△△でございます。」
  • 「お待たせいたしました。○○株式会社の△△でございます。」

社内ルールがある会社では、その言い方を優先してください。
ただし、ルールがないなら、上のような会社名+自分の名前の形が基本です。

3コール以上鳴った時の言い方

少し出るのが遅れたときは、一言おわびを添えると印象がやわらぎます。

  • 「お待たせいたしました。○○株式会社の△△でございます。」
  • 「大変お待たせいたしました。○○株式会社の△△でございます。」

遅れて出たことに気づいている、と相手に伝わるだけでも感じがよくなります。

相手の名前を確認する時の言い方

相手が名乗ったら、聞き流さずに確認しましょう。

  • 「○○株式会社の□□様でいらっしゃいますね。」
  • 「□□様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。」
  • 「恐れ入りますが、お名前をもう一度お願いできますでしょうか。」

特に、会社名・氏名・電話番号・日時は聞き間違いが起きやすいので、復唱確認が大切です。

名乗りで避けたい言い方

よくある言い方でも、電話では不自然になりやすいものがあります。

  • 「もしもし、○○株式会社です」
  • 「○○様でございますね」
  • 「誰ですか」
  • 「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか」

「もしもし」は日常会話では普通でも、ビジネスの受電では改まった表現に置き換えるほうが無難です。
また、相手の名前の後は「ございます」より、「いらっしゃいますね」のほうが自然です。

取次ぎの敬語|担当者につなぐ時の言い方

取次ぎでは、相手を待たせることになるため、復唱してから保留に入るとスムーズです。

取次ぎの基本フレーズ

担当者がいる場合は、次のように答えます。

  • 「○○ですね。ただいまおつなぎいたします。少々お待ちください。」
  • 「営業部の田中でございますね。ただいま代わります。」
  • 「かしこまりました。ただいま担当におつなぎいたします。」

このとき、社内の人に対しては、電話口で「田中様」などと敬称を付けすぎないほうが自然です。
外部の相手には敬意を払い、社内の担当者名は社内基準で簡潔に扱うと、応対がすっきりします。

保留に入る前に一言添える

いきなり保留にせず、必ず一言伝えましょう。

  • 「少々お待ちください。」
  • 「ただいま確認いたしますので、少々お待ちください。」
  • 「担当に確認いたします。少々お待ちいただけますか。」

この一言があるだけで、相手は不安になりにくくなります。

社内へ取り次ぐ時の伝え方

担当者へつなぐ前に、最低限の情報を整理して伝えると親切です。

  • 相手の会社名
  • 名前
  • 用件
  • 急ぎかどうか
  • 折り返しが必要かどうか

社内では、たとえば次のように伝えるとわかりやすいです。

  • 「○○株式会社の□□様からお電話です。」
  • 「○○株式会社の□□様から、見積もりの件でお電話です。」
  • 「折り返し希望とのことです。」

単に「電話です」とだけ伝えるより、用件まで添えたほうが担当者も動きやすくなります。

不在対応の敬語|席を外している時の言い方

電話対応で特に迷いやすいのが不在時です。
大切なのは、相手に状況を伝えたうえで、次の行動を示すことです。

席を外している時の言い方

短時間の離席なら、次のように伝えると自然です。

  • 「申し訳ございません。○○はただいま席を外しております。」
  • 「ただいま○○は席を外しております。戻りましたらお伝えいたしましょうか。」
  • 「ただいま席を外しております。少々お急ぎでしょうか。」

会議中・接客中の時の言い方

相手に不快感を与えにくいのは、事実を簡潔に伝える言い方です。

  • 「申し訳ございません。○○はただいま会議中でございます。」
  • 「ただいま来客対応中でございます。」
  • 「ただいま電話に出ております。終わり次第、折り返しご連絡いたしましょうか。」

相手が急いでいそうな場合は、折り返しや伝言の提案まで入れると親切です。

外出・出張・休みの時の言い方

長めの不在では、必要以上に詳しく言いすぎないことも大切です。

  • 「申し訳ございません。○○は本日外出しております。」
  • 「本日、終日不在にしております。」
  • 「ただいま出張のため不在でございます。」

休みの理由や詳細は、状況によっては伝えすぎないほうが無難です。
必要なのは、今つなげるか、つなげないかと、次にどうするかです。

戻り時間がわかる時・わからない時

戻り予定がはっきりしているなら、目安を伝えてかまいません。

  • 「15時ごろ戻る予定でございます。」
  • 「夕方には戻る見込みでございます。」

はっきりしない場合は、曖昧な約束をしないことが大切です。

  • 「戻り時間はまだ未定でございます。」
  • 「現時点では戻り時間がはっきりしておりません。」
  • 「戻りましたら、こちらから折り返しご連絡いたしましょうか。」

名乗り・取次ぎ・不在対応でそのまま使える例文

ここでは、実際に使いやすい表現を場面別にまとめます。

名乗りの例文

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場面例文
通常の受電お電話ありがとうございます。○○株式会社の△△でございます。
少し遅れて出た時お待たせいたしました。○○株式会社の△△でございます。
相手の確認○○株式会社の□□様でいらっしゃいますね。
聞き取れない時恐れ入りますが、お名前をもう一度お願いできますでしょうか。

取次ぎの例文

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場面例文
担当者がいる○○ですね。ただいまおつなぎいたします。少々お待ちください。
確認してからつなぐ担当に確認いたしますので、少々お待ちください。
用件も確認する差し支えなければ、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか。

不在対応の例文

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場面例文
席を外している申し訳ございません。○○はただいま席を外しております。
会議中ただいま会議中でございます。
終日不在本日は終日不在にしております。
折り返しを提案する戻りましたら、こちらから折り返しご連絡いたしましょうか。
伝言を受けるよろしければ、ご伝言を承ります。

電話を受ける時に間違えやすい敬語

言葉自体は丁寧でも、電話では不自然になりやすい表現があります。
ここを直すだけでも、かなりきれいな応対になります。

間違えやすい表現と言い換え

  • もしもし
    → 「お電話ありがとうございます。○○株式会社でございます。」
  • ○○様でございますね
    → 「○○様でいらっしゃいますね」
  • 誰ですか
    → 「失礼ですが、どちら様でしょうか」
  • お声が小さくて聞こえません
    → 「少々お電話が遠いようですので、もう一度お願いいたします」
  • 課長様、部長様
    → 役職名だけ、または会社ルールに沿った呼び方
  • 伝えておきます
    → 「申し伝えます」「お伝えいたします」

特に気をつけたいのは、丁寧にしようとして言いすぎることです。
自然な電話敬語は、難しい表現を重ねることではなく、相手に配慮が伝わる言い方です。

不在時の伝言メモで残すべき内容

不在対応では、話し方だけでなくメモの質も大切です。
電話をきれいに受けても、伝言が抜けると評価は下がってしまいます。

最低限、次の項目は残しましょう。

  • 受電した日付と時間
  • 相手の会社名・部署名
  • 相手の氏名
  • 連絡先
  • 用件
  • 折り返しの要否
  • 自分の名前

特に、電話番号・日時・数字は必ず復唱して確認するのがおすすめです。
「合っているつもり」で流さないことが、ミス防止につながります。

電話対応が苦手でも失敗しにくくなるコツ

最後に、電話に慣れていない人でも実践しやすいコツをまとめます。

まずは3つの定型文だけ覚える

全部を一気に覚える必要はありません。
まずは次の3つだけでも十分です。

  • 「お電話ありがとうございます。○○株式会社の△△でございます。」
  • 「ただいまおつなぎいたします。少々お待ちください。」
  • 「申し訳ございません。○○はただいま席を外しております。」

この3つが口から自然に出れば、基本対応の土台はできています。

わからない時は無理に答えない

電話で焦ると、知らないことまで答えたくなります。
しかし、曖昧な返答は後でトラブルになりやすいものです。

わからない時は、次のように切り返せば問題ありません。

  • 「確認いたしますので、少々お待ちください。」
  • 「担当に申し伝えます。」
  • 「こちらでは判断いたしかねますので、確認のうえご連絡いたします。」

最後は自分の名前で締めると安心感が出る

不在時や伝言対応の最後に、誰が受けたかを示すと親切です。

  • 「私、△△が承りました。」
  • 「○○に申し伝えます。△△が承りました。」

責任の所在がはっきりし、相手にも安心感が生まれます。

まとめ

電話を受ける時の敬語で重要なのは、名乗り・取次ぎ・不在対応の3つを、場面ごとに言い分けられることです。

ポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 最初は会社名と自分の名前を、はっきり名乗る
  • 相手の会社名・名前は復唱して確認する
  • 取次ぎでは、一言添えてから保留にする
  • 不在時は、状況だけでなく次の対応まで伝える
  • 伝言は、相手の情報と用件を正確に残す

電話対応は、完璧な敬語を並べることより、相手が安心できる対応が大切です。
まずはよく使う一言を決めて、少しずつ自分の言葉として定着させていきましょう。

この記事を書いた人

敬語・丁寧表現、メール・LINEの文例、言葉の意味や違い、言い換え表現、表記ゆれなど、日常や仕事で迷いやすい日本語表現を実用重視で解説しています。
辞書・公的情報・一般的な使用実態などを確認しながら、初心者にもわかりやすい記事作成を心がけています。

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