お願いされたときの返事は、「何と言うか」だけでなく、「どう返すか」が大切です。
ただ「承知しました」と返すだけでは、
本当に引き受けたのか、確認が必要なのか、いつ動くのかが相手に伝わりません。
反対に、遠回しすぎると、
「結局どうなるのか分からない返事」に見えてしまいます。
そこで大事なのが、次の形です。
感謝 → 結論 → 次の動き
この順番で返すと、短くても丁寧で、相手が安心しやすい返事になります。
この記事では、承知する時・検討する時・保留したい時の敬語を、すぐ使える例文つきで整理します。
お願いされた時の返事 敬語の基本は「感謝・結論・次の動き」
お願いされた時の返事 敬語でまず意識したいのは、相手を待たせない返事です。
返事がうまい人ほど、長く書くのではなく、必要な情報を短く入れています。
返事は「わかりました」だけで終えない
「わかりました」「了解しました」だけでは、気持ちは伝わっても、仕事の返事としては不足しやすいです。
相手が知りたいのは、主に次の3つです。
- 依頼を受け取ったか
- 対応できるのか
- いつどう動くのか
そのため、返事では結論のあとに一歩先の情報を添えるのが基本です。
迷ったらこの3点を入れる
お願いへの返事は、次の3点が入ると整いやすくなります。
| 入れる内容 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 感謝 | 依頼を受け取った姿勢を示す | ご連絡ありがとうございます |
| 結論 | 承知・検討・保留を明確にする | 承知いたしました/確認のうえ検討いたします |
| 次の動き | 相手を安心させる | 本日中に対応いたします/○日までにご連絡します |
返事の短さより、曖昧さを避ける
短い返事自体が悪いわけではありません。
問題なのは、短いせいで意味があいまいになることです。
たとえば、
- 「大丈夫です」
- 「検討します」
- 「また連絡します」
このような言い方は、一見やわらかく見えても、
可否・期限・温度感が伝わりにくいことがあります。
丁寧な返事にしたいなら、やわらかさより先に、意味の明確さを優先しましょう。
承知するときの返事 敬語|引き受ける時は内容と動きを添える
依頼を受けるときは、承知の言葉だけで終えず、何をどうするかまで伝えるのがポイントです。
「承知しました」は使いやすい基本表現
社内外を問わず使いやすいのが、「承知しました」「承知いたしました」です。
特に、内容を受け取って理解したことを伝えたいときに向いています。
例文は次のとおりです。
- ご依頼の件、承知いたしました。
- 修正内容、承知しました。本日中に対応いたします。
- 打ち合わせ日程の件、承知いたしました。当日までに資料を準備いたします。
より丁寧にしたい時は「かしこまりました」
接客、受付、社外対応、目上の相手への返事では、「かしこまりました」もよく使われます。
「承知しました」より、やや改まった響きがあります。
使いやすい例は以下のとおりです。
- かしこまりました。すぐに確認いたします。
- かしこまりました。担当者へ申し伝えます。
- かしこまりました。○時までにご連絡いたします。
承知の返事で好印象になる言い方
承知の返事は、次の形にすると整います。
基本形
ご連絡ありがとうございます。○○の件、承知いたしました。△△いたします。
この形なら、必要な要素が過不足なく入ります。
例文
- ご連絡ありがとうございます。資料送付の件、承知いたしました。確認後、改めてご返信いたします。
- ご指示ありがとうございます。修正箇所、承知しました。反映後に共有いたします。
- ご依頼ありがとうございます。会議室の予約、承知いたしました。本日中に手配いたします。
「承知しました」だけで終わらせないほうがいい場面
次のような場面では、一言だけの返事はやや物足りなく見えます。
- 複数の依頼がある時
- 締切がある時
- 相手が対応完了を待っている時
- 初めてやりとりする相手への返事
こうした場面では、復唱・期限・行動予定のどれかを足すと安心感が出ます。
検討するときの返事 敬語|保留に見せないための伝え方
すぐに引き受けられない時は、「検討します」だけで止めないことが大切です。
この言い方だけだと、相手には
「前向きなのか、断りたいのか、まだ何も決まっていないのか」
が見えにくくなります。
「検討いたします」は確認が必要な時に使う
すぐ答えられない事情がある時は、次のような表現が自然です。
- 内容を確認のうえ、検討いたします。
- 社内で確認のうえ、改めてご連絡いたします。
- スケジュールを確認のうえ、可否をお返事いたします。
この時に大切なのは、何を確認するのかを一言入れることです。
検討の返事では「判断材料」を見せる
「検討します」が曖昧に聞こえるのは、何を基準に考えるのかが見えないからです。
そこで、次のように判断材料を添えると伝わりやすくなります。
- 予定を確認のうえ、検討いたします。
- 予算面も含めて検討いたします。
- 影響範囲を確認のうえ、判断いたします。
- 社内の担当者と相談のうえ、ご連絡いたします。
検討の返事は期限まで伝える
検討の返事で最も大切なのは、いつ返すかを示すことです。
たとえば、次のように書くと丁寧です。
- 内容を確認のうえ検討いたします。明日中にご連絡いたします。
- 社内で相談のうえ検討いたします。○日までにお返事いたします。
- 一度持ち帰って検討いたします。本日夕方までにご連絡いたします。
期限が入るだけで、返事の誠実さが大きく変わります。
検討の返事 例文
上司への返事
- ご相談ありがとうございます。スケジュールを確認のうえ、検討いたします。本日中にお返事いたします。
- 承りました。現在の業務状況も踏まえて検討し、午後までにご連絡いたします。
取引先への返事
- ご提案ありがとうございます。社内で内容を確認のうえ、検討いたします。○日までに改めてご連絡申し上げます。
- ご依頼ありがとうございます。対応可否を確認のうえ、明日午前中までにお返事いたします。
チャットでの短文
- ご連絡ありがとうございます。内容を確認のうえ検討します。今日中に改めてご連絡します。
- ありがとうございます。予定を確認して、午後までにお返事します。
保留したい時の返事 敬語|待ってもらう時は期限を必ず入れる
お願いされた内容にその場で答えられない時は、保留の伝え方が重要です。
保留自体は失礼ではありません。
ただし、理由も期限もなく保留することは、相手に不安を与えやすくなります。
保留は「保留します」より、理由と期限で伝える
「保留します」という言葉そのものは、やや事務的で冷たく聞こえることがあります。
そのため、次のように伝えるほうが自然です。
- 一度持ち帰って確認いたします。
- すぐのお返事が難しいため、社内確認のうえ改めてご連絡いたします。
- その場で判断が難しいため、○日までお時間をいただけますでしょうか。
保留の返事で入れたい4つの要素
保留の返事では、次の4つを入れると印象が整います。
- まずお礼を伝える
- すぐに決められないことを明確にする
- 何を確認するかを簡潔に伝える
- いつ返すかを示す
保留の返事 例文
社内の相手へ
- ご依頼ありがとうございます。すぐに可否をお返事できないため、業務状況を確認のうえ、本日中にご連絡します。
- ご相談ありがとうございます。一度整理したうえで判断したく、明日までお時間をいただけますでしょうか。
取引先へ
- ご提案ありがとうございます。社内で確認が必要なため、恐れ入りますが、○日までお時間を頂戴できますでしょうか。確認後、改めてご連絡いたします。
- ご依頼いただきありがとうございます。現時点では即答が難しいため、関係部署と調整のうえ、○日までにご回答申し上げます。
角を立てにくい言い方
- 前向きに確認しておりますが、現時点では確約が難しい状況です。
- すぐのお返事が難しく、恐縮ですが、○日までお時間をいただけますと幸いです。
- 慎重に確認したうえで判断したく、改めてご連絡いたします。
保留のときに避けたい返し方
次のような返し方は、相手を待たせやすくなります。
- 検討しておきます
- またご連絡します
- いったん考えます
- たぶん大丈夫です
これらは、返事の責任の所在がぼやけやすい表現です。
保留にするなら、
「何を確認するか」+「いつ返すか」
まで言い切るのが基本です。
お願いされた時の返事 敬語で避けたい表現
ここでは、よく使いがちでも誤解されやすい表現を整理します。
「了解しました」
同僚同士では使われることもありますが、目上の人や社外相手には軽く聞こえやすい表現です。
迷ったら、次のどちらかに置き換えると安心です。
- 承知しました
- かしこまりました
「大丈夫です」
この表現は便利ですが、
肯定にも否定にも読めるのが弱点です。
たとえば「大丈夫です」は、
- 問題ありません
- 結構です
- 対応できます
- できません
のどれにも取られうる場合があります。
置き換えるなら、次のように明確にしましょう。
- 問題ございません
- 承知いたしました
- 対応可能です
- 今回は対応が難しい状況です
「ご検討します」
これは不自然になりやすい言い方です。
「ご検討」は、基本的に相手の行為に対して使う形なので、自分の動きとして述べるなら、
- 検討いたします
- 確認のうえ判断いたします
のほうが自然です。
「なるほどです」「承知です」
話し言葉では見かけても、改まった場面では幼く見えたり、雑に聞こえたりしやすい表現です。
返事として使うなら、
「承知しました」「かしこまりました」
にそろえると落ち着きます。
そのまま使える返事の例文|承知・検討・保留
ここでは、コピペしやすい形でまとめます。
すぐ引き受ける時
メール向け
- ご連絡ありがとうございます。○○の件、承知いたしました。本日中に対応いたします。
- ご依頼ありがとうございます。内容、承知しました。完了後にご報告いたします。
会話向け
- 承知しました。すぐに対応いたします。
- かしこまりました。確認して進めます。
チャット向け
- 承知しました。本日対応します。
- ありがとうございます。確認して進めます。
検討する時
メール向け
- ご提案ありがとうございます。内容を確認のうえ、検討いたします。○日までに改めてご連絡いたします。
- ご依頼の件、承りました。現在の状況を確認し、明日中に可否をご連絡いたします。
会話向け
- いったん内容を確認のうえ、検討いたします。
- スケジュールを確認して、本日中にお返事いたします。
チャット向け
- ありがとうございます。確認のうえ検討し、夕方までに返答します。
- 内容確認します。可否は本日中にお知らせします。
保留したい時
メール向け
- ご依頼ありがとうございます。現時点では即答が難しいため、社内で確認のうえ、○日までにご連絡いたします。
- 恐れ入りますが、一度持ち帰って確認したく存じます。明日までお時間をいただけますでしょうか。
会話向け
- その場でお約束するのが難しいため、確認してから改めてご連絡します。
- 少しお時間をいただけますでしょうか。○時までにお返事いたします。
チャット向け
- すぐの判断が難しいため、確認後に返答します。今日中に連絡します。
- ありがとうございます。いったん持ち帰って確認し、明日午前中までにお返事します。
相手別に見る、返事の言い分け
同じ内容でも、相手によって返し方を少し変えると自然です。
上司への返事
上司には、簡潔さと実務性が大切です。
必要以上にかしこまりすぎるより、
「承知しました+いつ動くか」
が伝わる返し方が向いています。
例
- 承知しました。15時までに確認します。
- ご依頼ありがとうございます。内容を整理し、今日中に共有します。
取引先への返事
社外には、敬意と明確さを少し強めに出すと安心です。
例
- 承知いたしました。確認のうえ、本日中にご連絡申し上げます。
- かしこまりました。担当部署と確認のうえ、明日午前中までにお返事いたします。
接客・受付での返事
接客では、「かしこまりました」が特に使いやすいです。
例
- かしこまりました。少々お待ちくださいませ。
- かしこまりました。担当の者をお呼びいたします。
お願いされた時の返事 敬語で迷った時の結論
お願いされた時の返事 敬語で迷ったら、次の形を思い出してください。
ご連絡ありがとうございます。 → 承知いたしました/確認のうえ検討いたします → ○日までにご連絡いたします。
この3点が入っていれば、返事はかなり整います。
特に大切なのは、次の3つです。
- 承知するときは、何をどうするかまで添える
- 検討するときは、確認事項と返答期限を伝える
- 保留するときは、あいまいにせず、待ってもらう期限を示す
丁寧な返事は、難しい敬語を並べることではありません。
相手が安心できるように、短く、明確に、誠実に返すことです。
それができれば、
「敬語として正しい」だけでなく、
仕事で信頼される返事になります。
