自己紹介で「申します」と「言います」のどちらを使うべきか迷う人は多いですが、結論から言うと、どちらも間違いではありません。
違いは、正誤ではなく丁寧さと場面の改まり具合です。
初対面の相手やビジネスの場では「申します」が自然です。
一方で、日常会話ややわらかい自己紹介では「言います」でも問題ありません。
まずは、違いをひと目で整理しておきましょう。
| 表現 | ニュアンス | 向いている場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| 田中と言います | 事実をそのまま伝える、やわらかい | 日常会話、私的な自己紹介 | はじめまして、田中と言います。 |
| 田中と申します | 自分を控えめにし、丁重に名乗る | 初対面の取引先、面接、先生への連絡、あらたまった場面 | はじめまして、田中と申します。 |
| 田中です | 簡潔で自然 | 2回目以降のやりとり、社内、すでに面識がある相手 | いつもお世話になっております。田中です。 |
| 田中でございます | より丁寧でかしこまった印象 | 受付、電話応対、接客など | 株式会社○○の田中でございます。 |
「申します」と「言います」の違いは、敬語の深さにある
「申します」は、自分を低くして丁重に伝える言い方
「申します」は、自己紹介で自分の名前や立場を伝えるときによく使う表現です。
単に「言う」を丁寧にしただけではなく、相手に配慮して、自分を控えめに示す響きがあります。
そのため、次のような場面と相性がいい言い方です。
- 初対面の相手に会うとき
- 面接で名乗るとき
- 取引先へ電話やメールをするとき
- 学校の先生や保護者など、礼儀を意識したい相手に自己紹介するとき
たとえば、次の言い方は自然です。
- はじめまして、山田と申します。
- ○○株式会社の山田と申します。
- ○○学部1年の山田と申します。
「言います」は、内容をそのまま伝える基本表現
「言います」は、相手に対して失礼な表現ではありません。
ただし、「申します」と比べると、敬語としての改まり方は弱めです。
そのため、次のような場面で使いやすい表現です。
- 日常会話の自己紹介
- 友人の紹介
- かたい雰囲気にしたくない初対面
- プライベート寄りの集まり
たとえば、次のような形です。
- はじめまして、山田と言います。
- 東京から来た山田と言います。
- ○○の友人の山田と言います。
やわらかく親しみやすい印象があるので、場面によってはこちらのほうが自然です。
自己紹介では「申します」と「言います」をどう使い分ける?
迷ったときは、相手との距離と場の改まり具合で判断すると失敗しにくくなります。
初対面のビジネス相手には「申します」が基本
取引先、面接官、顧客、学校の先生など、礼儀を優先したい相手には「申します」が無難です。
自己紹介の最初で丁寧さが伝わるため、印象も安定します。
例文
- はじめまして。株式会社○○の田中と申します。
- 本日から担当いたします、田中と申します。
- ○○大学○○学部の田中と申します。
プライベートややわらかい場では「言います」でも自然
趣味の集まり、地域の交流会、友人の紹介などでは、「申します」だと少しかたく感じることがあります。
そんなときは「言います」のほうが自然です。
例文
- はじめまして、田中と言います。
- ○○さんの紹介で来ました、田中と言います。
- 福岡出身の田中と言います。よろしくお願いします。
すでに面識がある相手には「です」「でございます」も使いやすい
ここは見落としやすいポイントです。
すでに一度名乗っている相手に、毎回「田中と申します」と言うと、少し距離のある印象になることがあります。
その場合は、「田中です」「田中でございます」のほうが自然です。
例文
- いつもお世話になっております。田中です。
- 先日ご連絡差し上げました田中でございます。
- ○○の件でお電話いたしました田中です。
自己紹介で迷わない、場面別の言い方
対面で初めて会うとき
もっとも使いやすいのは、「はじめまして」と「申します」を組み合わせる形です。
例文
- はじめまして、○○会社の田中と申します。
- はじめまして。本日から配属になりました田中と申します。
- はじめまして。○○ゼミに所属しております田中と申します。
メールで初めて連絡するとき
メールでは、最初に名乗ることで相手が内容を理解しやすくなります。
長すぎる自己紹介は不要ですが、所属+氏名までは入れておくと親切です。
例文
- 突然のご連絡失礼いたします。株式会社○○の田中と申します。
- はじめてご連絡いたします。○○大学○○学部の田中と申します。
- このたび担当になりました、田中と申します。
電話で名乗るとき
電話では最初に所属と名前を短く伝えると、相手が聞き取りやすくなります。
例文
- お世話になっております。株式会社○○の田中と申します。
- ○○の件でお電話いたしました、田中と申します。
- ○○大学の田中と申します。○○先生はいらっしゃいますか。
「申します」と「言います」でよくある迷い
「田中と言います」は失礼?
失礼ではありません。
ただし、相手が目上の人で、場面もあらたまっているなら、「田中と申します」のほうが安心です。
「言います」はカジュアル寄り、
「申します」はフォーマル寄り。
この違いで覚えると、かなり迷いにくくなります。
「申します」を使えばいつでも正解?
必ずしもそうではありません。
たとえば、すでに何度もやりとりしている相手に毎回「田中と申します」と言うと、ややよそよそしく聞こえることがあります。
丁寧さは大切ですが、場面に対して丁寧すぎると、かえって不自然です。
自己紹介でいちばん無難なのはどれ?
迷ったら、次の基準で決めると簡単です。
- 初対面で、相手に礼儀を示したい → 「申します」
- 親しみやすく、やわらかく名乗りたい → 「言います」
- すでに面識がある → 「です」「でございます」
自己紹介で避けたい言い方
次のような言い方は、不自然に聞こえやすいので注意したいところです。
- 「はじめまして、田中でございます」
→ 間違いではありませんが、場面によってはややかたすぎます。 - 毎回「○○と申します」を繰り返す
→ 2回目以降は「○○です」のほうが自然なことがあります。 - 必要以上に情報を詰め込む
→ 自己紹介は短く明確なほうが伝わります。
自己紹介では、丁寧さと同じくらいわかりやすさも大切です。
自己紹介で迷わないための結論
「申します」と「言います」の違いを、最後にシンプルにまとめます。
- 「申します」
→ 丁寧で改まった自己紹介に向く
→ 初対面、ビジネス、面接、先生への連絡で使いやすい - 「言います」
→ やわらかく自然な自己紹介に向く
→ 日常会話、私的な集まり、親しみを出したい場面で使いやすい
つまり、自己紹介で大切なのは
「どちらが正しいか」ではなく、「その場に合っているか」です。
初対面で迷ったら、まずは
「はじめまして、○○と申します」
としておけば大きく外しません。
そこから相手との距離や場面に合わせて、「言います」「です」「でございます」を使い分けると、自然で感じのよい自己紹介になります。
