接客や電話でよく使う「少々お待ちください」は、失礼な言い方ではありません。
ただし、場面によっては少し一方的に聞こえることがあり、相手に与える印象をやわらかくしたいなら、別の言い方に置き換えるのが効果的です。
特に意識したいのは、次の3点です。
- なぜ待ってもらうのか
- どれくらいかかるのか
- そのあとどうするのか
この3つが伝わるだけで、同じ「お待ちいただく場面」でも、印象はかなり良くなります。
まずは、すぐ使いやすい言い換えを一覧で見ていきましょう。
「少々お待ちください」の言い換え一覧
| 表現 | 向いている場面 | 印象 |
|---|---|---|
| 少々お待ちくださいませ | 接客全般 | やわらかく丁寧 |
| 少々お待ちいただけますか | 目上の人・お客さま | 押しつけ感が少ない |
| 少々お時間をいただけますか | 確認や準備に少し時間がかかる時 | 理由が伝わりやすい |
| ただいま確認いたしますので、少々お待ちください | 在庫確認・会計・手続き | 自然で実用的 |
| ただいま担当の者をお呼びいたしますので、少々お待ちください | 店頭・受付 | 案内が明確 |
| 恐れ入りますが、このままお電話口でお待ちいただけますか | 電話対応 | 丁寧で改まった印象 |
| 少々お時間を頂戴してもよろしいでしょうか | かしこまった接客・電話 | 非常に丁寧 |
| 確認に少しお時間がかかります。こちらから折り返してもよろしいでしょうか | 長く待たせそうな時 | 配慮がある |
結論から言うと、迷った時は
「ただいま確認いたしますので、少々お待ちいただけますか」
としておくと、接客でも電話でも使いやすいです。
「少々お待ちください」は失礼ではない?
「少々お待ちください」自体は、接客や電話で広く使われている丁寧な表現です。
ただ、相手との距離感や場面によっては、「待ってください」と言い切る形がやや強く感じられることがあります。
そのため、次のように依頼の形をやわらげると、より印象がよくなります。
- 少々お待ちいただけますか
- 少々お時間をいただけますか
- 恐れ入りますが、少々お待ちくださいませ
言い換えの基本は、正しさよりも、相手が不快に感じにくいかです。
接客や電話では、文法だけでなく、聞こえ方まで意識すると失敗しにくくなります。
接客で使える丁寧表現
その場を少し離れる時
店頭や受付で一時的に離れる時は、何をしに行くのかを添えると親切です。
使いやすい例は次のとおりです。
- ただいま担当の者をお呼びいたしますので、少々お待ちください
- 在庫を確認してまいりますので、少々お待ちいただけますか
- すぐにご案内いたしますので、少々お待ちくださいませ
ただ「少々お待ちください」とだけ言うより、相手が待つ理由が見えるため、安心感が出ます。
会計や準備に時間がかかる時
商品準備や会計処理など、少し作業が入る場面では、「時間をいただく」という言い方が自然です。
- お会計の準備をいたしますので、少々お時間をいただけますか
- ただいまお包みいたしますので、少々お待ちくださいませ
- 確認がございますので、少々お時間を頂戴してもよろしいでしょうか
この場面では、お待ちくださいよりお時間をいただけますかのほうが、やわらかく聞こえやすいです。
混雑時や待ち時間が読みにくい時
混雑している時に「少々」と言ってしまうと、相手が「すぐ終わるのかな」と期待しやすくなります。
少し長くなりそうなら、最初から言い方を変えたほうが親切です。
- ただいま順番にご案内しております。もうしばらくお待ちいただけますか
- 申し訳ございません。ご案内まで少しお時間を頂戴しております
- お待たせして申し訳ございません。順に対応しておりますので、今しばらくお待ちください
短い待ち時間なら「少々」、やや長い待ち時間なら「もうしばらく」「今しばらく」が使いやすい、と覚えると便利です。
電話で使える丁寧表現
担当者に取り次ぐ時
電話では、無言で保留に入るのがいちばん印象を悪くしやすいです。
まずは、相手にこれから何をするかを伝えましょう。
- 担当の者におつなぎいたしますので、少々お待ちください
- 確認いたしますので、恐れ入りますがこのままお電話口でお待ちいただけますか
- ただいまお調べいたします。少々お時間をいただけますでしょうか
ポイントは、保留にする前に一言入れることです。
保留をお願いする時
電話では、「待つ場所」が対面より見えません。
そのため、対面以上に具体的な言い方が向いています。
- 恐れ入りますが、このままお電話口で少々お待ちください
- 確認のうえ戻りますので、このままお待ちいただけますか
- 担当に確認いたしますので、少々お時間をいただきます
「お電話口で」と入れると、電話らしい自然な表現になります。
少し時間がかかりそうな時
電話で長く待たせる時に「少々お待ちください」を繰り返すと、かえって不親切に聞こえます。
時間が読めない時は、待たせ続けるより選択肢を出すほうが丁寧です。
- 確認に少しお時間がかかりそうです。折り返しお電話してもよろしいでしょうか
- 担当者が別対応中のため、こちらから改めてご連絡いたしましょうか
- お待たせして申し訳ございません。あと1分ほどお時間をいただけますか
電話では、待たせること自体より、状況説明がないことが不満につながりやすいです。
担当者が不在の時
不在なのに「少々お待ちください」と言ってしまうと、相手の期待を持たせてしまいます。
この場合は、待ってもらう表現より、現状説明を優先します。
- 申し訳ございません。担当はただいま席を外しております
- 戻り次第ご連絡するよう申し伝えます
- よろしければ、こちらから折り返しお電話いたします
待たせる言葉ではなく、次の対応を示す言葉に切り替えるのがポイントです。
丁寧に聞こえる言い方のコツ
理由を先に添える
「少々お待ちください」だけだと、相手は待つ理由が分かりません。
先に理由を入れるだけで、納得感が出ます。
- 在庫を確認してまいりますので、少々お待ちください
- 担当に確認いたしますので、少々お待ちいただけますか
時間の目安を伝える
待つ時間が少し長くなる時は、目安があると安心されやすくなります。
- 1分ほどで戻ります
- 2、3分お時間をいただいてもよろしいでしょうか
「少々」と言いながら長く待たせるより、最初に短くても目安を示したほうが親切です。
お詫びをひと言添える
お客さまを待たせる場面では、作業説明だけでなく、配慮も伝えると印象が上がります。
- 恐れ入りますが、少々お待ちください
- お待たせして申し訳ございません
- ご不便をおかけしますが、少々お時間をいただけますか
「お願い」と「配慮」をセットにすると、接客らしいやわらかさが出ます。
「少々お待ちください」を言い換える時のNG表現
「ちょっと待ってください」
カジュアルすぎて、接客や電話ではぶっきらぼうに聞こえやすい表現です。
親しい間柄なら問題なくても、仕事では避けたほうが無難です。
無言で保留にする
電話で特に避けたいのがこれです。
相手は「切れたのか」「ちゃんと対応してもらえているのか」が分からず、不安になりやすくなります。
長く待たせるのに「少々」を使い続ける
5分近くかかるのに「少々お待ちください」では、言葉と実際の長さが合いません。
時間がかかるなら、最初から
- もうしばらくお待ちください
- 改めてご連絡いたします
のように切り替えましょう。
相手に合わせず、必要以上に固くする
「少々お時間を頂戴してもよろしいでしょうか」は丁寧ですが、場面によってはやや硬すぎます。
日常的な接客なら、
- 少々お待ちくださいませ
- 少々お待ちいただけますか
くらいでも十分丁寧です。
すぐ使える例文集
接客で使う例文
- ただいま在庫を確認してまいりますので、少々お待ちくださいませ
- お席を準備いたしますので、少々お待ちいただけますか
- お会計をおまとめいたしますので、少々お時間をいただけますか
- 担当の者を呼んでまいります。恐れ入りますが、少々お待ちください
電話で使う例文
- 担当の者におつなぎいたしますので、このまま少々お待ちください
- ただいま確認いたしますので、お電話口で少々お待ちいただけますか
- 確認に少し時間がかかりそうです。こちらから折り返しお電話してもよろしいでしょうか
- 申し訳ございません。担当は席を外しております。戻り次第ご連絡いたしましょうか
待たせた後に添えたい例文
待ってもらう言い方だけでなく、待たせた後の一言までセットで覚えると実践的です。
- お待たせいたしました
- 大変お待たせいたしました
- お待たせして申し訳ございませんでした
ここまで言えると、接客や電話の印象がかなり整います。
よくある疑問
「少々お待ちくださいませ」は正しい?
不自然ではありません。
接客ではよく使われる言い方で、「少々お待ちください」よりもやわらかく響きます。
ただし、職場によっては少し古風、またはやや接客色が強いと感じることもあります。
迷う場合は、「少々お待ちいただけますか」にすると、場面を選ばず使いやすいです。
「少々お待ちいただけますか」と「少々お待ちください」はどちらが丁寧?
一般的には、少々お待ちいただけますかのほうがやわらかい印象です。
相手に依頼する形になるため、言い切る感じが弱まります。
一方で、テンポよく案内したい接客では、
「ただいま確認いたしますので、少々お待ちくださいませ」
のように言ったほうが自然なこともあります。
「少々」はどれくらいの時間?
はっきり何分と決まっているわけではありませんが、聞く側は短い待ち時間をイメージしやすい言葉です。
そのため、長くなりそうなら「もうしばらく」「今しばらく」や、折り返しの提案に切り替えたほうが親切です。
まとめ
「少々お待ちください」は、そのままでも使える丁寧表現です。
ただし、接客や電話で印象よく伝えたいなら、待つ理由・時間・次の動作まで添えるのがコツです。
特に使いやすい言い換えは、次の4つです。
- 少々お待ちいただけますか
- 少々お時間をいただけますか
- ただいま確認いたしますので、少々お待ちください
- 恐れ入りますが、このままお電話口でお待ちいただけますか
迷った時は、
「何をするために待っていただくのか」が伝わる表現
を選べば、接客でも電話でも失敗しにくくなります。
