基礎知識 大人でも発音ってキレイになるの?
大人の発音Q&A
結論、治るの?
症状の種類によっては治ります
大人の発音には大きく分けると2つの種類が存在します。
1.病気の後遺症で口や喉に麻痺が生じて元々できていた発音ができなくなる状態
2.子どもの頃の発音のクセが治っていないことにより滑舌が悪い状態。
病気の後遺症による発音の問題は、病気になる前の状態に戻ることはかなり難しいと思われます。子どもの頃からのクセについてはキレイとされる発音に矯正することは可能です(発音の問題の種類については『構音障害ってなに?』のページで確認してみてください)。
病気の後遺症が原因の場合
病気の原因により症状は様々
主に神経に問題をきたす病気により出現する問題です。少し掘り下げると、人間が話すために必要な息をする部分(呼吸器)、声を出す部分(喉頭)、音を共鳴させる部分(狭義ですが鼻咽腔を明記します)、発音をする部分(口腔器官)のどこが、上手く動かない、力が弱くなった、力を調整できない、勝手に動くといった筋肉活動の問題が起こることで本来できていた発音が行えなくなる状態を指します。
◆後遺症が発生する可能性がある病気
脳卒中:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
神経変性疾患:パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症 など
悪性腫瘍:口腔癌、咽頭癌 など
これらの病気の影響で「顔に麻痺が出て、半分の口が閉まらない」「舌に麻痺が出て、舌を噛んでしまう」といった症状が出現することで起こるのが病気の後遺症による発音の問題です。
クセの問題
困り感は人それぞれ
相談を受けるケースとしては「滑舌が悪いと言われた」「面接があるから滑舌を良くしたい」「昔から気にしていたけど治せないかと思っていた」相談が多い印象です(個人体験談)。もちろん、「発音は気になるけど相談に行くほどでもないかな」と思っている方が一定数いることも事実です。そのため、全員に練習が必要ということではなく、ニーズがある方には必要ぐらいの認識で捉えてもらうと相談しやすい雰囲気になるのかなと考えます。
前置きが長くなりましたが…
こういった相談の場合、問題となる原因が不明なことが多いです。病院・歯科で指摘がないケースの場合は別の発音の問題がありますのでここでは除外します。前述した問題がない方でも発音する口の中で発音した音声にはそれぞれ特徴が見られます。
例を見ながら比べます
①「サ行が言いにくい」と相談に来られた方 ※架空の人物です。・上の歯と下唇でサ行を言っている
・「さしすせそ」が一律難しそう
②「サ行が言いにくい」と相談に来られた方 ※架空の人物です。
・「し」の発音をするときに右の口角が上がっている
・「さすせそ」は上手に発音できている
同じ相談内容でも、発音している口の動きや実際の発音を聞いてみると全く違う発音をしていることがわかります。このようなクセによる発音の問題は適切な練習を行うことで矯正することが可能です。
各練習方法は順次公開していく予定です!