こまめな水分補給

体やのどにとって、水分補給は大切です。のどについては、休みながら、適度な水分補給をすることで声を酷使することなく話をしたり歌ったりすることができます。

オススメとしては

・1日1.5リットル程度(大グラス8〜12杯程度)
・推奨はぬるま湯
・加湿器を使う

など、体やのど、生活環境を整えることが大切とされています。

気をつけてほしいこととして、のどにとって乾燥は大敵です!コーヒー、紅茶、緑茶などにはカフェインが含まれています。カフェインは利尿作用があるため、脱水を起こしやすくのどの水分を奪ってしまうのでのどを使った後の水分補給としてはオススメできません。

他にも、飴やチョコレートは唾液が粘っこくなり痰が絡みやすくなり、咳払いを誘発してしまうのでオススメできません。

のどをケアする側面では「オススメできない」程度ですので、普段の生活の中では好きなものを食べたり、飲んだりすることは問題ありません。

適度な発声を心がける

大きな声を出す・出し続ける、咳払いを頻繁にする行為はのどを酷使してしまいます。

声を全く使わずに生活することは非常に難しいですが、生活の中で声を出す習慣を意識することはできるかもしれません。

・会話は聞き役にまわってみる
・電話は使用せず、メールやLINEを使う
・大きな声を出さなくても良い環境で話す
・ゆっくりと話す

など、仕事と並行して行うことが難しい場合もあると思います。
その際は、医師・言語聴覚士に相談してみましょう。

※病院で検査を受け診断を受けた場合は医師の指示をあおいで下さい。

食べるものに注意する

逆流性食道炎には要注意

・就寝前に食事をする
・刺激の強い香辛料を使う
・柑橘類は食べる
・アルコールを控える

逆流性食道炎が影響する場合はこのようなことに気を付けてみましょう

※少しでも逆流性食道炎かも?と思ったら病院を受診して検査を行ってください。

生活を振り返ってみる

生活を振り返ると改善できることがあるかも?

◆喫煙する・タバコの本数を減らす
タバコの煙に含まれるタールはのどを刺激して炎症の原因となります。

◆過度な飲酒
アルコールには利尿作用があり飲んだ分量以上の水分が出ていくことが知られています。体内のアルコールを分解するために水分が使用されるので脱水を起こすおそれがあります。

◆マスクをする
ほこりや煙からのどを守る。またほこりや煙のある場所へはなるべく行かない。

◆体調が悪いときに無理矢理声を出す
風邪の場合、のどに炎症をきたしていることが多いです。無理矢理声を出すことは、そのままのどを酷使することにつながります。できる方は、周囲へ相談する、声をあまり出さなくても良いように環境を整えることも大切です。

◆カラオケ
とても楽しいですよね(私は大好きです)!!調子が良くないかな?と思う場合は、選曲や曲数を限定してみるのはどうでしょうか?無理に出しにくい高さや大きさで歌うことはのどを酷使してしまうので注意してカラオケを楽しみましょう

生活の中で、のどをケアするだけでも声に関わる病気を発症しにくくなることが知られています。もし改善できることがあれば身近な取り組みから始めてみることをオススメします。

※違和感がある場合は、近隣の耳鼻咽喉科へ受診して精査を受けてください。
 

参考文献・引用資料

1.苅安誠・城本修(編著),改訂 音声障害,建帛社,2012
2.廣瀬肇(編著),音声障害治療学,医学書院,2018
3.城本修・小池三奈子・遠藤裕子・生井友紀子著,STのための音声障害治療マニュアル,インテルナ出版,2008
4.宮田恵里・佐藤剛史・村上健(編著),声をみる いちばんやさしい音声治療実践ハンドブック,医歯薬出版,2021