基礎知識 聴覚障害の種類
聴覚障害の基礎
聴覚(ちょうかく)障害?
音が聞こえない、聞こえにくい状態
聴覚障害は、外耳・中耳・内耳・聴神経という音が感じとる部分に障害が起こることで音が聞こえない、聞こえにくい状態になることを指します。
耳の聞こえは人により症状や聞こえの具合が大きく異なります。
生活の中で「聞こえにくい?」「聞こえない?」と疑った場合は、医療機関にて検査を行なってください。
ここでは、聴覚障害の特徴や種類など基礎的な内容を解説します。
伝音(でんおん)性難聴
外耳・中耳に問題がある
伝音難聴は、音の通り道に問題があり、音が伝わりにくくなることで起こる種類の難聴です。
◆外耳
耳から鼓膜の前までを指します。
主な役割は、音を集め、鼓膜へ伝えることです。
◆中耳
鼓膜から耳小骨、耳管を指します。
主な役割は、音を増幅させて内耳へ伝えることです。
伝音難聴単独の場合、内耳や聴神経に問題にないため、原因となる病気を治療することで聴力が改善されるとされています。
感音(かんおん)性難聴
後迷路(こうめいろ)性難聴
内耳・聴神経に問題がある
感音難聴は、音が聞こえにく、歪む、響く、言葉がよく聞こえない種類の難聴です。
◆内耳
蝸牛、三半規管、前庭を指します。
主な役割は中耳から伝えられた振動を電気信号に変換して聴神経に伝えること、平衡感覚を維持することです。
◆聴神経
蝸牛神経と前庭神経を合わせて聴神経・内耳神経と呼びます。
主な役割は脳の聴覚中枢に電気信号を伝えることです。
感音性難聴は、原因となっている場所により、内耳性難聴と後迷路性難聴に分けられます。
1.内耳性難聴
代表的な病気を挙げると、突発性難聴、メニエール病、騒音性難聴、老人性難聴です。
大きな特徴として、音が異常に強く感じ、不快に響いてしまうという現象で『補充現象』と呼びます。ご高齢の方に対し、耳元で大きな声で呼びかける行為は逆効果となってしまうので気をつけましょう!
2.後迷路性難聴
これは神経や脳に原因がある難聴です。そのため、症状は多彩です。
混合性難聴
伝音と感音が合併している状態
名前の通り、伝音性難聴と感音性難聴の両方を合併している難聴です。
内耳性難聴にて記載した老人性難聴ですが、実は伝音性難聴も併発していると言われています。
難聴が判明・疑われたら?
まずは病院で精密検査を!
第一に、耳鼻咽喉科のある病院を受診し難聴の程度や原因を検査する必要があります。同時に補聴器の早期装用が必要だと思います。特に子どもの場合、成長していくスピードを考慮して、早期の補聴器装用が必要になってくると思います
参考文献・引用資料
1.医療情報科学研究所編集,病気がみえるvol.13耳鼻咽喉科第1版,メディックメディア.20202.日本聴覚医学会編集,聴覚検査の実際,南山堂.1999
3.山田弘幸編著,言語聴覚療法シリーズ5 改訂 聴覚障害Ⅰ-基礎編.建帛社.2012
4.中川雅文著,耳と脳 臨床聴覚コミュニケーション学試論,医歯薬出版,2015