Q.ぶっちゃけ高くない?

値段はピンキリです

安価なものであれば、数万円程度。高価なものであれば50万円程度します(執筆者の把握している範囲ですので異なるかもしれません)。またこの値段は、片耳での値段ですので両耳となると単純計算で2倍となります。

補聴器の種類にによっても値段が変わります。耳かけ型・耳あな型・箱型・メガネ型などによっても値段にばらつきがあります。

各メーカーによっても値段が異なります。代表的な補聴器・メーカーを以下に挙げます(50音順)
・oticon(オーティコン):William Demant Holdings
・Signia(シグニア):WS Audiology
 WIDEX(ワイデックス):WS Audiology
・Starkey(スターキー):Starkey Hearing Technologies
・PHONAK(フォナック):Sonova
・リオネット補聴器:リオン株式会社
・ReSound(リサウンド):GN Hearing

日本で補聴器を探す際は、これらのメーカーをおさえておけば充分だと思います。
他にもある場合は教えてください。カタログを取り寄せたいと思います。

高額で手が出ない…
実は、障害者支援法や自治体の補助があるので、国から補聴器装用に対する補助金がもらえます。購入した際は医療費控除の対象にもなりますので領収書は大事に保管しておきましょう。

Q.どこに売っているの?

オススメは認定補聴器専門店

認定補聴器専門店は、補聴器の調整や選定に必要な機器や設備が公益社団法人テクノエイド協会の認定審査基準をクリアしたお店だけに与えられる資格です。このお店には『認定補聴器技能者』が在籍しているメリットがあります。

認定補聴器技能者とは、補聴器に関する技術や知識が一定以上保持していると認定された方を指します。

病院にて補聴器を購入する場合は、耳鼻咽喉科医、言語聴覚士からの意見で補聴器を購入する場合もあります。その場合、当事者⇆耳鼻咽喉科医・言語聴覚士⇆販売業社という流れになるため、補聴器販売店に行かず病院に足を運び代金の支払いまで完了する場合もあります。

補足情報ですが、認定補聴器専門店でも全種類の補聴器を取り扱っている訳ではありません。インターネットで事前に気になる補聴器(デザイン含む)を調べて足を運ぶ専門店で取り扱いがあるかを調べておくと、よりスムーズかもしれません。

Q.購入の流れは?

数回程度、専門店に行く必要があります

補聴器の購入からフィッティングまでの流れを示します。

補聴器販売店の場合

1.コンサルティング
補聴器の購入を検討したいと思った動機などを詳しく伺います。

2.聴力検査
音だけでなく、言葉の聞こえも測定します。

3.補聴器の検討・選択
個人のニーズに応じた補聴器を選びます。

4.補聴器の調整
購入する補聴器が決まれば、その人に合った調整を行います。補聴器を使用した状態とそうでない状態の比較も行いながら、装用したことでの効果を評価します。

5.耳型の採取
イヤモールドと呼ばれる耳栓を作成します。

6.補聴器完成
ここでようやく完成!

補聴器は長期的な使用が必要な機器です。使用している中での不快感や故障・メンテナンス、使用する練習やアドバイスが必要となるになってきます。必要に応じて、医療機関や認定補聴器専門店に行くことをオススメします。
 

身体障害者手帳があれば補聴器が買える?

難聴が重度で身体障害者手帳の基準に適合する場合、障害者総合支援法による補装具支給制度の利用が可能です。1割負担で各メーカーが出している障害者総合支援法対応の機種がありますのでそちらから選択できます。種類も良いグレードの補聴器が揃っているので調べてみてはいかがでしょうか。


詳しくはお住まいの自治体にある福祉課などに連絡して確認することをオススメします。

Q.無くしたら…どうする?

1回程度は補償がきく!かも?

各メーカー、事故補償制度や紛失補償制度があります。
※ないケースもあるかもしれません。購入前に確認お願いします。

普段から心がけておくこととして、紛失しないようケースにしまったり、紛失防止用クリップを使用したりと創意工夫して扱いましょう!

良いアイデア、この工夫しているなどあれば、こっそり教えて下さい。 

Q.どこで調整できる?

大きく3ヶ所あります

上部に書きましたが、補聴器は購入した後の調整がフォローが大切です。
購入後に補聴器の調整ができる場所を示します。

・病院(耳鼻咽喉科:難聴外来・補聴器外来を行っている病院が望ましい)
・認定補聴器専門店
・特別支援学校(聴覚のサポートを行っている学校)

が挙げられると思います。他にも行える場所があれば教えてください。
病院や学校については、すべての場所で行えるわけではなく、機材や専門のスタッフがいるかで調整の可否が異なることがあります。

調整の依頼をする際は事前に連絡をとって確認してみてください。

個人的には、できる限り一つの場所に絞ってお任せすることを推奨します。複数の場所で調整を行うことで記録が残っていなかったり、調整方法が違ったりという問題がおきることがあります。できるなら、当人が信頼のおける専門家に相談に乗ってもらったり、調整を任せたりすることが最も安心かつ安全なサポートを受けられると思います。

Q.どうやって手入れしたら良い?

忘れないで、精密機械ということ!

皆さん、一日の活動時間はどれくらいでしょうか?
私は、16・17時間程度です。毎日長時間作動していると、さすがの精密機械でも故障してしまいます。特に、耳の外部に装着する補聴は耳垢や汗が付着するため日頃からの手入れが大切です。補聴器が長持ちする方法をいくつか紹介します。

◆乾燥する(乾燥ケースに入れる)
水や湿気、汗に補聴器は意外と弱いです。特に汗や海水は中に入ると錆びてしまうかもしれないので注意してください。補聴器を使用しないときは収納ケースもしくは乾燥ケースを使用して乾燥させてあげてください。
※補聴器に入っている空気電池は乾燥に弱いためケースには入れないようお願いします。気になることがあれば購入されたところで質問してみてください。

◆こまめな掃除
特に要注意なのは耳垢です。毎日手入れをすることは難しいかもしれませんが、一週間に一回程度は掃除をしてあげることで補聴器を長持ちさせることにつながります。

豆知識として
補聴器は耳からの出し入れを行います。耳垢がついたままだと、補聴器から細菌が発生し、耳から感染する可能性があります。痒くなったり、痛くなったりなどする場合は医療機関を受診してください。これを防ぐためにも日頃の掃除は怠らないようにしましょう。

◆定期点検
車の車検のように、補聴器も点検が必要です。購入した場所で1年に1回は点検をしてもらうことも長持ちの秘訣です。
 

参考文献・引用資料

1.Harvey Dillon原著・中川雅文監訳,補聴器ハンドブック 原著第2版,医歯薬出版,2017
2.日本規格協会,JIS規格:補聴器(JIS C5512:2000).2000
3.山田弘幸編著,言語聴覚療法シリーズ5 改訂 聴覚障害Ⅰ-基礎編.建帛社.2012